4.第2日目ー1 二二八和平公園〜台北植物園

触れそうズグロミゾゴイ。

台湾の日の出時間がよく分からない。
長崎より西であるから、日の出は遅いのだろうけれど、南だからなあと、かなり悩み、早くて困る事はないと5時半起床。一晩中窓の外から聞こえてきていた車の音も静か。
6時過ぎに、部屋にあったミネラルウォーターをカメラバックに入れて、ホテルを出る。民權西路駅よりMRTで台湾醫院駅下車。20NT$。流石に車内は少ない。
MRTの駅から地上に出たところが二二八和平公園(アーアーパーフーピンコンユエン)。結構広い緑地広場で、博物館や、三層の中国風建物が、日の出前で仄明るい中に見える。それでもちょこちょこと人が歩いている。どこでも早くから働いている人がいるものだ。
まずは、公園全体の把握のために北側へ。スズメの鳴き声がしてきた。ん?北側のMRT出口側の芝生の上に何かいる。犬?犬ではなくて、やはりズグロミゾゴイだ。それも2羽。直ぐ横を人が歩いているけれど、じっと動かない。徐々に近づいて、芝生横の道に立っても、逃げない。警戒はしているのだろうけれど。
ズグロミゾゴイは、ここで繁殖していると言う事で、確実に見られるとは思っていたが、こんなに簡単に、それも目の前で見られるとは。石垣島などでは見た事があるが、こんなにあっけらかんとはしていなかったような…。

今度は西側へ。
音楽堂がある。芝生の上をカノコバトが歩いている。キジバトより少し小さいハトで、プーケット以来だ。そうこうしていたら、やっと日が昇り始めて、シロガシラの鳴き声が大きくなる。木の上や、飛んでいる姿が見える。何か混じっていないかと、見ていたが、厭になるほどのシロガシラだ。スズメを狙っているのかジマアカモズ♂が尾をくるりと回して木の枝に止まっていた。
西の方から鳥が飛んできて、木に止まり出す。おっ!タイワンオナガだ!写真を撮るより早く、東へ飛んでいく。次々に西側から飛んでくる。殆どがシロガシラ。また、飛んできて木の上に。また、カノコバトかと思っていたら、ベニバトが群れで止まった。近くで見ると雄の紫褐色の翼の色が綺麗。後から来たカノコバトに追われるように飛んでしまい、地面には降りなかった。次に何か来ないかと西の方をじっと見ていたら、ビルの上をカササギが飛んでいる。イワツバメヒメアマツバメも。ツミもビルの上を北へ抜けていった。

ベニバト。

二二八和平公園

シロガシラメジロが群がっている赤い実のなっている木があったので、ゴシキドリがいないかと、下から覗いたり、離れて見たりしていたら、話しかけてくる散歩の人がいた。残念ながら、全く言葉が分からなかったので、I'm a Japanese,sorry!でした。
南側は木が多くて、その下で多くの人が太極拳をやっている。邪魔にならないように遊具施設まで行くが、シロハラキセキレイくらいしか見あたらず。
時間も8時を廻ったので、ホテルに戻って朝食を食べようかとも思ったが、お腹はすいていなかったので、そのまま探鳥を続ける。
二二八記念館のところでなにやら変な声。見上げるとタイワンリスが巣材の木の枝を梢近くの巣に運んでいるところだった。リスなんて珍しいなあと思ったのはこの時だけだった。このあと台北市内の公園から周辺の山間部の観光地まで何処でも見かけた。そして、いろんな声で鳴くので、鳥かと思ってずいぶんと悩まされる事に。

二二八和平公園では、目的のベニバトに会えたが、ゴシキドリには出会えずじまい。
8時半になったので、歩いて今度は植物園を目指す。
まっすぐ南下する。右手には総督府が見えた。愛国西路にぶつかり、右折。左手に中正祈念堂(現國立台湾民主記念館)が見えた。
信号が変わったので、横断歩道を南へ渡っていたら、なにやら物々しい。パトカーが止まっていて、私服警官のような、いかめしい人達がそこここに辻立ちしている。何かあるのかな?と思いながらも、横断歩道を渡った所にあった、石の椅子に荷物を降ろして、地図で場所を確認しようとしたら、耳にイヤホンをさして、無線機を持った男が、中国語で何か言いながら、手を横に振り近づいてきた。
何がかダメのようだ。しかし何がダメなのか分からない。私は地図で行き先を確認したいだけだと、英語で言おうとして、はたと困る、台北植物園はなんと読むんだったっけ?とひるんだ所を、早口で止まってはダメだというような事を言う。ここで止まったらダメなのかと片言英語で尋ねても、凄い剣幕で中国語で言う。
仕方なく、カメラバックを再度背負い、こちらだと思う東の方向へ歩き出したかったのだけど、信号は赤で、渡った先にも同様な男達が立っていたので、仕方なく、重慶南路二段を南側へ歩き出す。
くそ面白くないな!と思って10mも歩いたか歩かないかで、今度は別の男が目の前に通せんぼ。今度は止まれと言っているようだ。道路の反対側にはパトカーが止まっていて、制服の警察官が立っているし、内心あせる。今から何が起こるのか?不審な外国人として逮捕拘束されるのか?パスポートは持っているけれど…。と、そこにはずっと左手に続いていた塀に門あった。
その時、その門が開き、目の前に黒塗りに高級車が。
パトカーが動き出し、門から出てきた3台の黒い車を先導して猛スピードで北へ向かった。
一瞬の事だった。
唖然としていたら、通せんぼの男が、緊張が解けたような表情で、行けと言うように手を振る。
あらら、なにやらお偉いさんの警備だったのかと、後で塀の中が外交部だと分かり、納得した次第。

園内風景。

郵政博物館前の四つ角で、植物園の場所を再度確認し、右折して横断歩道を渡り、東へ進む。右手に國立科学教育館や、南海学園、國立歴史博物館等が連なり、人が多い。その奥に植物園があるのだけど、入り口が分からず。三叉路を越えて和平西路二段まで行ってやっと植物園西門へ。
後で分かったのだけど、実は南海学園からも入れるようになっていた。
三叉路を越えて和平西路二段まで行ってやっと植物園西門へ。
後で分かったのだけど、実は南海学園からも入れるようになっていた。
兎に角、やっと着いた植物園。時間は既に9時。人がいっぱい。
天気は良いし、ずっと歩いているし、お偉いさんの警備にぶち当たって、冷や汗もかいてしまったし、本当に汗をかいてしまった。長袖の袖をまくって、気分一新、クロエリヒタキ、ゴシキドリを見つけるぞ!と、あれ?肩に担いでいた三脚、雲台のバーン棒がない!

ウソだろう!落としてきた?いつ落としたのか記憶がない。和平公園を出た時にあったのか?それとも外交部周辺で落としたのか?バーン棒がないと、困る事は明白。しかし、気分的に探しに戻る気力がない。なんかついていないなと、気分は最低。それでも植物園を歩く事に。
シロガシラはいるのが分かったけれど、鳥が少ない。人が多い正?水路の側で小鳥が柳のような木に止まる。何か分からないまま又飛んでしまう。
人が少ないところをと、薄暗い林の中へ進むと、どこもここも太極拳のポーズを取っている人がポツンポツンといる。その先からワライカワセミのような声が。
すみませんねと、脇をすり抜けて進んでいると、カメラを持った人が。短いレンズだから鳥屋じゃない。
レンズの先には、タイワンオナガだ。タイワンリスもいる。どうもタイワンリスと餌の取り合いをしているらしく、それを撮っているようだ。こちらからは遠いし、暗い。

タイワンオナガと争っていたタイワンリス。

クロエリヒタキ。

少し近づいて撮ってみるが、暗くてブレブレだし、オナガが遠ざかってしまった。う〜んついていない。
広い水辺にはスズメシロガシラと多量の人。やはり、休日の公園は鳥見には適していない。カササギが飛び、リュウキュウツバメが1羽止まっているのを見多他は、シマアカモズシロハラルリビタキ♀、ゴイサギ
今日はダメだと、当初のルートだった博愛路の入り口前まで進む。
左手の高木の林のゾーンに入ると、枝先を小鳥が。
なんだ?おっ!クロエリヒタキの小群発見。
一眼でとにかく追ってみるが、暗いしなかなか止まってくれない。ブルーの♂と褐色の♀も確認。やっと台湾の鳥が見れたっ!と言う気分になる。しかし、写真はイマイチ。じっとしてくれれば、デジスコする気にもなるけれど…。
クロエリヒタキは日本では与那国島での記録があるようだ。

11時になっていた。クロエリヒタキは見られたし、このまま植物園で粘っていても、休日で人が多いのでダメだろうと判断し、博愛路へ出る。
出た左側に食べ物屋並んでいて、牛肉麺の文字が。道路に面して壁が無く、コンクリートの床にテーブルが並んでいて、2組程食事をしていた。
通り過ぎたが、当然お腹がすいていたので、引き返して店へ入る。さて、どのようにして注文をするのか?カウンターの女性に近づいて、「ニューローメン」と言ったら、どうも分かってくれたらしいので、テーブルに着く事に。
考えたら、台湾で何かを食べたいとか考えていなかった。台湾は料理が美味しいからとよく言われるが、鳥見の事しか考えていなかった。
まあ、ケチケチ一人旅で、コンビニもあるしくらいだった。しかし、昨晩食べたカップ麺との比較もしたかったのでニューローメンだけは食べたいなと。
出てきたニューローメンは何とも微妙。
美味しいとの評判の店で食べたわけではないので、よく分からないが、こんなもんかな?という感じだった。上に乗った牛肉も取り立ててどうのこう言うものではなかった。結局、カップ麺もお店の麺もあんまり変わりないな〜。
さて、午後からは何処へ行くか?
市内の公園は何処を廻っても人が多くてダメだろうから、烏來(ウーライ)か陽明山(ヤンミンサン)かに行こうかと考える。明日は台湾北部は雨だとか。となると、北の陽明山に今日行って、明日南の烏來に行けば、少しは雨を避けられるかも、いろいろ考えたあげく陽明山へ行く事に。
ニューローメン代70NT$(約210円)払って、先を急ぐ事に。

上が食べたお店。下がニューローメン。

午前中のベストショット。タイワンリスと戦っていたタイワンオナガ!

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