3.第1日目 關渡自然公園

夕陽の關渡

今日の予定は台北北側の關渡自然公園。ネットで調べたら、オウチュウやベニバト、アオハウチワドリ等が見られており、野鳥図鑑や、グッズ等を売っているビジターセンターがあるようだ。
歩いて近くのMRT(地下鉄)の民權西路駅へ。駅までの道は工事中で歩道は歩きづらいけれど、食べ物屋、コンビニ、雑貨店等があり賑やか。モスバーガーやマクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、牛丼の吉野屋等あり何も考えずに食事も出来そう。
駅に着き、券売機の前で一旦停止。ガイドブックを開いて、乗車券の買い方を学習して、關渡駅までは淡水線で約20分35NT$。青いプラスティック製のトークンと呼ばれる電子チップが券売機から出てきて、それを改札にタッチして入場。
入場後の時間制限があるらしく、あまりゆっくりも出来ない気がする。
MRTの車両は銀色の金属ボディーにブルーのラインで福岡市営地下鉄にそっくりだったが、車幅は広かったし、シートのレイアウトも面白かった。また、途中から地上を走るのも福岡に似ていた。
關渡駅の一つ二つ前の駅周辺は農耕地が広がっていた。今回、農地や草原は台北の探鳥予定地に入っていないので、セッカやヒバリ類を見るには良いかもと思う。

關渡駅に降りたら、天気が良くなっていて、嬉しくなったけれど、実は關渡自然公園までの道を全く知らない。
駅から歩いていけるとネットで読んだが、地図がないので、よく分からない。なにせ読み方も分からない。結局はカンドではなく英語表記ではGUANDUだと分かったが…。で、レンタサイクルの多い駅付近の表示を見ながら歩いていく。
大通りには何故かマダカスカルで有名なバウバウの木がずっと植えてあった。關渡自然公園と書いた案内があったので、10分ほど歩いて公園入り口に到着。
2時半になっていた。入場料は50NT$。
券売所で日本人か聞かれたのでそうだと言ったら、にこっと笑って、料金所横のテーブルの飲み物を勧めてくれた。何かよく分からなかったので、飲まずに、タバコを吸って良いかと聞いてみた。公園内はダメだとの身振りだったので、ここは大丈夫?と聞いて、椅子のあるところでタバコを吸う。
この時点までまだ台湾でタバコを吸う人を見ていなくて、全然喫煙のルールが分からなかった。以前は海外に行っても苦労しなかったのですが…。

關渡自然公園入り口。

台湾初撮りのシマアカモズ。

チケットを見せてゲートを潜ると、何故かキャラメルをくれた。まあ、いいかとほおばりながら公園内へ。
右手の方は人が多そうだったので、左手の方へ進む。まずは關渡駅に降りた時から目に付いていたシロガシラ。ここにもあそこにも。というより、シロガシラばかり。時折メジロの鳴き声が混じるくらいで、他の鳥の姿がない。
芝生の広場に出ると、やはりシロガシラとメジロ。あとはキジバト。離れた基の梢にいるのは、ん?シマアカモズの♀。
まあ、最初にシマアカモズでも撮ってみましょうかね、と、デジスコする。
ビジターセンター横にはアマサギが水牛(?)の側にいる。あれ?もっとハッカチョウ類が跋扈しているのかと思ったのですが…。
ひとまずビジターセンターへ入る。入って直ぐ右に、販売コーナーがあったので、図鑑などを物色。
日本野鳥の会が制作協力した台湾のイラスト図鑑を購入。950NT$、約2,850円。

探鳥地ガイドなんかがあると良かったのですが…。他には小物などがあったので、お土産になるものを物色したが、決定打がなくて、ショップを出る。ビジターセンターはゆっくり見れば面白いのでしょうが、まずは鳥見をと、今度は水辺へ。
芦原の奥の離れたところに、アオサギ数羽と、籠抜けで繁殖してるアフリカクロトキが見えた。他はセイタカシギが1羽、アオサギダイサギ等のサギ類が目に付く程度。
水面にはマガモコガモカルガモハシビロガモオカヨシガモ。時々カワセミの鳴き声がするが姿は見えない。
う〜ん、面白くない。はるばる台湾までやってきたかいがない。人は結構多いけれど、鳥を見ているという人、というか、双眼鏡をぶら下げている人もいない。まだまだ、鳥見、台湾では賞鳥と言うらしいけど、は多くないようだ。
水辺沿いに進むと最初の入り口の所に出た。一周した訳だけど、鳥が少ない。おっと、木下の薄暗い地面をハトが。ベニバトかと思ったら、キジバトだった。がっかり。
もっと簡単に見られると思っていたんだけれど…。

遠いアフリカクロトキ。

園内風景。

再度芝生の広場に戻ると、タゲリの鳴き声。ん?タゲリ?先ほども聞こえていたけれど、流石に台湾では珍しいはずだよな?それとも猫?と鳴き声の方を探すと、どうも芝生の上に3m程の広葉樹の、葉の茂ったところから鳴き声が聞こえる。
いくらなんでもタゲリではないと、下から覗き上げて探してやっと発見。
全身真っ黒で、嘴と脚が赤い、クロヒヨドリだ。やっと台湾らしい鳥に遭遇。しかし写真が撮れない。見上げだし、暗いし、デジスコでは近すぎ。裏側に回って、どうにか写真も撮れた。
しかし、このあとは何処を探しても面白いものに出会わない。ベニバト、ヒメオウチュウはここで見たかったのですが…。
諦めて4時に公園を出て、芦原沿いを歩く事に。
キンキラの關渡宮のところから、サイクリング道路沿いに進む。土曜日ともあって人と自転車で賑わっていた。
ここではウチワドリ類を期待していたのだけど、いたとしても自転車が多くて、三脚を立てるのにも苦労する。鳥をゆっくり見るという雰囲気ではなかった。

そういえば、機内食は食べたものの、ちょっとお腹がすいたなと、引き返そうと思っていたら、自然公園側の林に観察施設があるような看板があり、ゲートが見えたので、そこへ寄る事に。
閂は閉まっていたが、鍵はかかっていなかった。開けて中へ入り、左手に向かうと、公園から見えていた湿地帯を反対側から見る観察施設があった。
丁度小学生と指導者が野鳥観察というか、スケッチをしていたので、邪魔にならないように足早に先を急ぐ。
その先には水辺に突き出た観察スペースがあり、ここに落ち着く事に。夕日で順光でなかなか良い。
先ほど公園側から見たアフリカクロトキが見える。ここからも遠い。
その手前の木に止まっているのはシロガシラと、おお、ベニバトだ。ベニバトが数羽止まっている。そしてジャワハッカも1羽。
遠いけれど、初見の2種をデジスコする。もっと近くに来ないかなと待つが、他の方向へ飛んでしまった。

やっとベニバトを見る事が出来た。左上隅はキジバト。

夕暮れの關渡駅のホーム

他に何かいないかと、見回すと、手前の水の中にはアオアシシギが6羽いた。他にシギチは見あたらず。芦原に止まる小鳥の姿もシロガシラスズメ以外には見あたらず。
5時になって、陽も傾いてきたので、撤収する事に。芦原沿いにもっと歩くといい感じなんだろうけれど、深追いは禁物。
林の中ではアオジシロハラゴイサギ等見て、駅へ急ぐ。
急ぐと言っても、道はよく分からないが、バオバブのある大通りに出れば、分かるはずと。
途中屋台が出ていて、野菜や果物、魚に肉と売っていて、食事の屋台からはいい匂いがしていたが、パス。
どうにか、大回りもせずに駅前の道へ。關渡駅のホームに立っていたら急に暮れてきたので、台湾北部の観光地、淡水迄行って、月を見ようかとも思う。コミック「風に大地」の中で台湾のプロゴルファー呂西釣が「ここの月は台湾淡水の月より大きい」という所があり、気になっていたのだ。
しかし、やっぱり早くゆっくりしたという誘惑には勝てず、5時20分位の列車に乗って台北市内に戻る事に。

椅子に座りたかったのだけれど、何処も空いておらず。暮れていく車窓からの風景を見ながら台北へ。
途中の看板を見て、何を売っているのだろうかと想像するのが楽しかった。
民權西路駅で降りて、セブンイレブンにビールを買いに寄る。そうしたら、もう、ホテルに戻って再度食事に出て来たくない気分になって、おにぎりやカップ麺まで購入する事に。
おにぎりは6〜70円、ビールは500mlで120〜150円程、カップ麺も150円程だった。台湾のコンビニのレジ、と言ってもセブンイレブンとファミリーマートしか行っていないけれど、レジ袋が必要な場合、1袋1NT$(3円)払って購入するようになっていた。これはこれでいいなと思った。
6時にホテルに戻る。
ふ〜疲れた、疲れた。
夕食は買ってきたカップ麺とおにぎり。湯沸かしポットで湯を沸かし、カップ麺を作る。一番無難で美味しそうなパッケージだったので、選んだのですが、なんとも表現できない複雑な濃厚なスープの味。やはり、日本の味ではない。トッピングの肉と葱もイマイチの味だった。
テレビはケーブルなのか100チャンネル以上あって、宗教の放送だろうか、説教をしている局もいくつもあったし、台湾語でしゃべる日本のアニメもいくつも放送されていた。また、台湾字幕のついた日本のバラエティ番組の放送が3局ほどあり、他にNHK衛星放送も写っていた。時差の関係で1時間遅れのニュースなども見る事が出来た。
日本の番組タイトルの翻訳も面白い。「劇的ビフォーアフター」は「全能住宅改造王」となっていたし、「ためしてガッテン」は「老師沒教的事」だった。「黄金伝説」の古い放送があっていたが、文字が多い画面に、更に台湾字幕が表示されているので、画面は文字だらけ。そんなものを、ぼうっと見ながらビ−ルを飲む。
今夜は台湾ビール、金メダル台湾ビール、青島ビルの3種。青島は台湾で現地生産しているらしい。3種ともこれといった差はなく、グビグビと喉を通っていった。

上が夕食となった「満漢万餐」の葱焼豚麺。下が調理後。

今夜のビールラインナップ。

さて、明日はどうするか。今日は思ったより鳥が見られなかった。たった25種。初見はアフリカクロトキを含めて、ベニバト、クロヒヨドリ、ジャワハッカの4種。
これだとすると、金門や曽文渓などに行っている場合ではないなと。今回は台北を中心にじっくりと見る事にしようと決める。
ということで、明日は市内の公園を廻る事にして、横幅の方が長いベットに一人寝る。

この日のベストショット。クロヒヨドリ。

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