3.第2日目 コムケ・シブノツナイ探鳥

オホーツクの夜明。

3時起床。
あたりはまだ暗い。あれ?雨が降っている。が〜ん!車から出ると、小雨で大したことはなさそうだった。エゾセンニュウ以外もいろいろと鳴いている。洗面をすましていざ出発。
アカハラやエゾセンニュウ、ウグイスなどが鳴く林を抜けシブノツナイ湖畔に到着。離合しにくい道路なので、海岸近くの駐車スペースに停める。
すぐ脇でコヨシキリとシマセンニュウが、草の茎に止まって競うようにして鳴いている。後ろはオホーツクで、明るくなり始めていた。海から陽が昇る。う〜んなかなか良いぞ!
小雨は降ったり止んだり。タオルで機材を拭きながら少し歩く。
草原の鳥の大合唱。これを一番楽しみにしていた。御池などで夜明に聞く山の鳥の大合唱とはやはり違う。山の鳥の場合、木の上から降ってくるように聞こえるので、鳴き声に包まれる感じがするが、草原の場合、横にに広がって行く感じ。ちょっと物足りないかな?
浜側に小屋が見え、ちょこんと胸の赤い鳥がハマナスの藪に顔を出した。ノゴマだ。とそこへ札幌からのバーダーが車で通りかかる。ノゴマを撮りに来たと言われていたのに、すぐに先に行ってしまう。もっと良いポイントがあるんだろうか?
朝日が昇ったようだったので、浜辺に出てみた。雲が多いので、綺麗な朝日とはならなかった。コチドリが砂浜を歩いていた。

あたりも随分明るくなった。右手にシブノツナイ湖、左手はオホーツク。他に人影もなく、私1人と鳥の鳴き声。
ハマナスの上でノビタキが囀る。やはり北海道の草原の主役はノビタキだ。数も多いし、不思議と道ばたに近いところに巣を作る気がする。だから、人が通るたびに雌雄で仕切と警戒鳴きをする。
こちらにはコヨシキリだ。九州で見ると、オオヨシキリの図太さに比べてしまって、可憐に感じるが、どこでも鳴いている感じがする北海道ではどちらかというと五月蠅い感じだ。
芦に止まって鳴いているのは、頭の真っ黒のオオジュリン。冬の福岡で、芦原に群れているのを見るのとは違って、ぽつんと鳴いている様は違う鳥のようだ。しかし、なかなか近いところでは鳴いてくれない。風も出てきて、揺れる姿を追うばかり。
あれ?路をノゴマが歩いている。餌を口にしている。一体何羽ここで繁殖しているんだろう。以前南公園で春の渡りに鳴き声を聞いた時の、貴重なものを聞いたという感動はすでの失われていく。今津で見るヒバリ状態だ。

ノゴマが沢山!

全身が撮れたシマセンニュウ。

ん。このマシンガンのおもちゃみたいな声は、シマセンニュウだ。今回シマセンニュウをちゃんと撮ることと、未見のマキノセンニュウを是非撮りたいと思っていたので、ハマナスの茂みの上に出てくれた時は嬉しかった。コヨシキリに似ているけど、少し大きくて、側頭線がない。遠目では鳴き声で判断するしかないが…。
それぞれに霧中でスコープを向け、シャッタ−を切る至福の一時。
小雨が強くなったので、いったん車まで戻る。林からはツツドリ、カッコウの鳴き声。と、3羽のカッコウが次々に現れ電線に止まる。託卵相手を捜しているのだろう。そのうちの1羽が車の後ろの塔に止まる。未明から鳴いていたコヨシキリとシマセンニュウに狙いを付けたのか。こんな近い距離でカッコウがじっとしているのを見るのは初めてだ。じっと真下の藪を見ている。分かっているのだろうコヨシキリとシマセンニュウはもっと盛んに鳴き募る。5分ほどカッコウは隙をうかがっていたが、諦めて飛んで行ってしまった。

おにぎりを食べて、お茶を飲み、鳥見を続ける。
時間がたつにつれ、林から聞こえてくる声も少ないなり、6時を過ぎると草原でもノゴマが鳴かなくなり、シマセンニュウも潜ってしまった。
いつまでも鳴いているのはコヨシキリとノビタキだけ。
マキノセンニュウは見つからなかった。もしかしたら聞き落とし、見落とししてしまったのかも知れない。シマアオジが全然鳴いていなかったのは間違いない。数が少なくなっているのだろう、残念だった。
とそこへ、西側の草原で赤い鳥が鳴いているのが見えた。この特徴ある鳴き声は、ベニマシコ。どうにかして撮ろうと思うが、スコープを向ける前に飛ばれる。ありゃありゃと思っていると、今度はメスが姿を現した。今まで上手く撮れていなかったので、兎に角撮ろうと焦った。なかなか合焦しないので、ピントは無視して撮影。やはりピントは甘かったが、その時しかシャッターチャンスはなかったわけで、仕方がない。

託卵を伺うカッコウ。

どうにか撮れたベニマシコ♀。

今回はデジカメのCoolPix7900用にバッテリーを3本と電池を1本持って来ていていたのだけど、この時点で2本が空となる。結構持つバッテリーだと思っていたが、1本は昨日からの使用だから仕方がないとしても、もう1本の消耗は計算外。
9時になったので、コムケキャンプ場に向かう。ここで充電をさせてもらおうという考えだ。管理棟の受付で頼んだら、快く了解していただいた。研修室みたいなところのコンセントを借りて充電をする。その間キャンプ場を廻ることに。
センダイムシクイとアオジが鳴いている。アオジはどうにか撮れたが…。ツツドリが鳴いていたから、そちらへ向かうと電線から飛び立った。残念。結構近かった。そこへオオジシギが嘴に枝を銜えて飛んできて、茂みに降りた。探したがやっぱり見つからない。ノゴマが鳴いていた。流石にもう撮る気にはなれなかった。
1時間程たったので、充電を見に行くがまだ終わっていない。今度は車でコムケ湖周辺を廻る。すぐにベニマシコの鳴き声。電線に止まって鳴いていたが、飛んで近くの木の梢へ

コムケ湖にアカエリカイツブリがいないか、スコープでじっくり見たが、アオサギ、マガモとオナガガモ、カワウがいたくらい。カモメ類も探すが、オホーツク側でオオセグロを見たくらい。
原生花園ではあまり花は咲いておらず、シブノツナイの方が綺麗だった。鳥も少なく、船着き場のところでノゴマやハクセキレイなどを見たくらい。キャンプ場の管理棟にあったアルバムでは、マキノセンニュウはコムケの方が多そうだったんだけど、時間が時間だから仕方がない。
途中で砂利道が行き止まりになったので、橋を渡って、ショートカットする形でキャンプ場に戻る。途中の農場でもオオジシギがいそうだったが、見つからなかった。
充電には結構かかった。2本とも充電しようと考えていたが、1本だけにする。今夜車中泊だと明日以降が不安になる。涛沸湖のビジターセンターで頼もうかなどと考える。やはり車のシガーライターから充電出来るような機材がいるなと痛感。
10時45分にコムケを出発。

こちらは唄うベニマシコ♂。

この朝のベストショット。ノビタキ♂。

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