2.第1日目 コムケ・シブノツナイへ

急な雨に見舞われた福岡空港

起きたのは6時で、自宅を出たのは8時半前。
早すぎることは分かっていたが、地下鉄の駅まで送ってくれる妻の都合もあって、そうなった。曇っていたが、雨は降っていない。三脚と衣類、トレッキングシューズを入れたバックが重かったが、スコープなどをカメラマンザックに入れて背負ったので、結構楽だった。
チェックインはスムーズにすみ、別に買うものもないのですぐに搭乗待合室に。それでも出発まで1時間以上あった。
北海道に着いたらビールは飲めないからと、生ビールを買って飲んでいたら、窓の外が酷く白く光り出した。久し振りの大粒の雨が滑走路を叩き、その飛沫が光って見えたのだ。
飛行機は10時40分発JAL3511便。
窓際を取っていたので搭乗後すぐに寝ることに。と、食べ物の匂いで目が覚める。機内食かと一瞬寝ぼける。昼時で隣のご夫婦が弁当をひろげられていた。その中華風の匂いにで目が覚めたようだった。そういえば機内食がなくなって久しい。茶菓もないし。以前だったら機内で持ち込みの弁当をひろげることには、結構勇気がいったことだったと思う。今は空弁時代だから、平気なんだろうけど、エコノミーシートの狭い空間で、横で中華でございと!と猛烈に主張する弁当をひろげられたら、朝7時にトースト1枚しか食べてない私としては、結構拷問に近かった。

丁度雲が切れて下北半島がよく見えた。どれが恐山かは分からなかったが、斧のような形がはっきり分かった。
千歳12時55分着。雲が低くたれ込めている。寒くはない。
レンタカーは今回オリックスで、借りたのはヴィッツ。函館ナンバーだったのには驚いた。13時50分レンタカーで出発!さて、どうするか?
ウトナイに行くか、音江別にいくか。
やっぱり油山のレンジャーだった江崎さんに顔見せなきゃまずかろうとウトナイへ。
国道を走ってウトナイサンクチュアリには20分ほどで着く。駐車場でセンダイムシクイが良いところで鳴いていたので、急いで機材を出すが間に合わず。アオジも福岡で見る鳥とは別物ように鳴いていた。
ネーチャーセンターへ行き、江崎さんはと伺うと、奥から現れる。今年は2度春を迎えましたと元気な顔だった。暫く話をした後、野鳥誌をもらって、園内に。湖まで歩くが、姿を見たのはウグイスくらいでこれと言って鳥の姿が見えない。

ウトナイサンクチュアリへ通じる道ばたで見たコムクドリ。

ニュウナイスズメはやはり北海道らしい。

コブハクチョウが湖の対岸側に1羽浮かんでいた。エゾムシクイやアカハラと思われる鳴き声はよくしていたが、時間も風も悪かったかな?で、サンクチュアリの入り口の以前コムクドリを撮ったところに、今年もいるかも知れないと向かう。
いましたいました。電線や屋根に止まっているが、少し遠い。一番近い電線に止まるのを待って♂個体を撮る。15時30分になったのでウトナイを後にして音江別へ。貧乏旅行なので、高速使わず国道を北上。
風が結構出ていて、緑の牧草が風になびき、たれ込めた雲の白い背景に消えていく。う〜ん北海道!
でも、音江別川の下流側はこれと言って鳥が出ない。ここではオオジシギを期待していたのだが、上流側に行っても、どこにもその姿がない。勿論ディスプレーフライトなどやっていない。夕方なので、期待していたのだけど…。時期が遅すぎたのか。
車を止めて暫く思案。電線にニュウナイスズメやホオアカが止まったので、気を取り直して撮影。流石に暗い。

車から離れて、少し歩くと、またコムクドリ♂の姿。餌を銜えているので、雛に運ぶ途中なのか。♀の姿も発見。
デジスコ新システムには少しずつ慣れてきたが、スコープ自体は、慣れたLeicaと違って、Swarovskiは視野に入れるのも、ピントを合わせるのもまだまだ時間がかかる。
スコープのアングルの角度の違いから、どうしても、対象物の上の方を見てしまいがちで、特に枝の混んだ所などでは、ピント合わせが遅いので、どこを見ているかよく分からず、かなり時間を費やしてしまう。
しかし、カメラを固定してレリーズで撮るため、暗いところが気にならなくなった。また連写が効くので、被写体ブレしそうな場面でも、どれか止まってそうな気になる。
慣れれば問題が少なくなると思えるが、カメラのピント合わせだけはどうにもならない気がする。液晶は見づらいから、AFの合焦マークに依存することになるし、ワイド側で合焦しても、ズームすると合焦しないといった不都合がある。これには本当に困った。

ホオアカが平地にいるところが北海道らしい。

こちらはコムクドリ♀。

17時半になったので、オオジシギはサンルで見ることにして先を急ぐ。
と、腹が減った。なにせ朝7時にトースト1枚食べたっきり。飲み物も機内で飲んだコーヒーが最後。
丁度マクドナルドの看板が見えたので、チキンフィレオセットにハンバーガーを単品で2個追加してテイクアウト。夕方なので女子高校生が多い。どこもここも変わらない。すぐ先にセブンイレブン。ここではおにぎり3個にお茶、寝酒の缶ビール、そして水がないところでの洗顔のために2リットル入りのミネラルウォーターを買う。
買い込みがすんだら18時。今夜中にシブノツナイ手前のコムケまで着かなければいけない。
道道46号は渋滞しているところもあったので、ハンバーガーを食べながら北を目指す。野幌森林公園の横を通り、江別東から高速に入る。途中で日没。順調に距離を稼いで比布大雪PAで休憩。旭川市内の夜景を見ていたらオオジシギのデイスプレーフライトの音。こんな時間にやるのかな?

旭川紋別道路に入り、ナビの言うままに暗い道を進む。
FM-NHKで大貫妙子が出ていて、シュガーベイヴの頃の話をしていたが、電波状況が悪くてとぎれとぎれにしか聞けない。CDは鳥の鳴き声チェック用以外は1枚しか持っていってなかったので、寂しかった。
と、当然コムケ湖の畔に出る。21時45分コムケキャンプ場の駐車場着。今夜はここで車中泊。
しかし22時にはなっていなかったので、先のシブノツナイまで行ってみることに。真っ暗でエゾセンニュウが鳴いていた。明日はここで鳥見しまくるぞ!と期待を胸にキャンプ場の駐車場に戻る。
バイクが1台と車が2台止まっていたので、端の方に停め、カーテレビでニュースを見ながら、マクドナルドのポテトをつまみに缶ビールを飲む。鳥見的には収穫の少ない日だったが、兎に角夢に見たコムケ・シブノツナイに来た。
旭岳に登るための上着を被って22時半就寝。
この日の走行距離346Km。

この日のベストショット。餌を運ぶコムクドリ♂。

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