5.第3日目 ワッカ・サロベツ探鳥

霧のオホーツクの夜明。

3時起床。バッテリーの充電も完了。支払いは昨夜済ませていたので、荷物をまとめて外へ出る。やっぱり。車中泊とは違って、足が鬱血しないので、快適。すると、なんと外は深い霧
暗いので、白と言うより灰色のもやに包まれて、ワッカ原生花園に向かう。
花園の駐車場はロープがされていて、路肩に停めるしかなかった。ここも酷い霧。
今日はどうしてもマキノセンニュウを見つけたい。
しっとり濡れる霧の中を花園に入っていく。今朝もノゴマが道案内。ヒバリもシブノツナイより多いのは、低い草地が多いせいか。
カッコウの鳴き声、ムクドリの声。
ノゴマの囀りに、ん?虫のような声。これがマキノセンニュウだよなと思っても、姿が見えない。結構鳴いている。
マキノセンニュウの鳴き声をたよりに場所を変えてみるが、こういう天気からか、見えるところには出て来ない。
海岸に出でると、オホーツクも霧。静かだけど面白くない。
シマアオジ狙いのようなバーダー2名に会う。シマアオジの鳴き声は全然しない。
ベニマシコは今日も♂の姿を見ることが出来たが、遠かった。
マキノセンニュウは、6時にはもう出てこないとミドリンさんから聞いていたので、気持ちは焦る。今日の午前中はマキノセンニュウの為に予定していたのだ。

そんな時、飛んできた小鳥が先の藪にとまった。コヨシキリか、シマセンニュウか?と思いながら双眼鏡で覗くと、胸に縦斑。マキノセンニュウだ。と思ったらすぐに藪に引っ込んでしまった。時計は5時半を廻っていた。
それでも6時40分までマキノセンニュウ探しを敢行したが、やっぱりダメだった。まあ、近くのノゴマ撮っても、霧でぼんやりだし、どうしようもないなと諦める。
ネーチャーセンターへ戻って来ると、ハクセキレイが結構囀っている。親鳥と子供の幼鳥の群れのようだ。幼鳥が結構じっとしていたので、可愛い横顔を撮らせてもらった。
霧は晴れそうにないので、移動することに。マキノセンニュウがダメならアカエリカイツブリを見ようと、サロベツを目指す。途中、オオジシギが多いらしいルスツ牧場を経由することに。
コムケ湖畔を通っていると、丁度通学時間で、小学生の姉弟がバス停にいた。北進すると右手は牧場、左手は森ばかり。隣家もかなり遠いだろう。こういうところに育ったら、全く違う人生だったろうな等と思う。

霧の中でノゴマが囀る。

霧の中ハクセキレイの幼鳥が群れていた、

興部の手前の方の港で。オオセグロが浜辺にいるところが見えたくらいで、ずっと霧の中。
山間部に入って西興部の手前くらいから急に夏空が広がって、良い天気。あまりの変貌に吃驚。
ルスツ牧場へ向かっていると、電線にノゴマが止まっていた。何か期待出来そうで、ワクワク。川沿いの道になるとコマドリの声も。で、目的のオオジシギポイントへ付く。
良い天気だ。牧場と青い空。気持ちいい。電線にはモズ。
えっ!どこ探してもオオジのオの字も見えない。
やはり時期が遅すぎたのだろうし、時間帯的にも無理だったんだろう。
車を止めてしばし休憩。キビタキ、エゾセンニュウ、センダイムシクイ、アオジなどが鳴いていた。
まずいことに、朝からなにも収穫がない。どひゃ〜だ。やはり昨日旭岳に移動しておくべきだったか!
気を取り直してサロベツへ向かう。
途中キセキレイが電線に止まっていた。キタキツネもぶらぶらと道路を横切ったので、デジカメ単体でパシャ!

川沿いの道路で、何カ所か対岸の山に向けてスコープや長玉を向けられている人を見かけた。猛禽類を狙われているんだろうか?
山から下りたら、目指す方向に雪を頂いた富士山風の山が見えた。あれって、もしかして利尻富士?初めての場所だから、内陸からも利尻島がこんなに見えるとは思ってもみなかった。綺麗だ。
勿論幌延のビジターセンターからもよく見えた。ビジターセンター周辺は花を見る人達で賑わっていた。
ビジターセンターに入り、アカエリカイツブリの情報を尋ねる。すぐ裏の長沼で見られると思っていたのに、今年はその先の小沼で見られているとのことだった。しかし、余りよく見られていないらしく、見つからなかったという人もいたと。また、シマアオジは豊臣の方では見られているとのことだが、こちらでは見られていないらしい。また、ツメナガセキレイはその辺で一杯繁殖しているとのこと。

ふらふらとキタキツネが道路を横切った。

どうにか撮れたアカエリカイツブリ。

長沼の畔に出たら、ツメナガセキレイが飛びながら鳴いているのにすぐ出くわした。木道に三脚を据えて、ツメナガセキレイを捕っている人がいたので、話を聞くと、巣が近いので、この辺をずっと見られるとのこと。アカエリカイツブリは先ほど行ったが見つからなかったとのこと。暫く一緒に逆光気味のツメナガセキレイを撮って、じゃ見てきますと、別れて小沼へ。
15分で着くと聞いていたが結構時間がかかる。湿原は乾燥が進んで笹が結構入り込んでいたが、エゾカンゾウを中心に花はそこそこ咲いていた。利尻富士が綺麗だ。長沼もそうだけど、木道は湖畔に沿っているわけでないので、なかなか湖面を見渡せない。
湖畔に一番近いところで、通り過ぎて来たあたりから鳥が湖面を移動している。逆光だ!双眼鏡を当てるが、どんどん遠ざかる。やったアカエリカイツブリだ!スコープを急いで準備!あれ?ここは木道の幅が狭くて、三脚が立たない。ようやく立てると灌木が邪魔。どこに行ったかと見るとかなり離れた地点で潜水を繰り返している。あ〜あ!

結局アカエリカイツブリは2羽見ることが出来たが、遠くて逆光で、まともな写真は一枚もなかった。暫く寄ってくるのを待ったが、見えないところに入ってロスト。
14時を過ぎて、お腹も空いたので、ビジターセンターまで戻ることに。
ノビタキ、コヨシキリが鳴いている。空を見ると、ん?トビ?じゃない。おおっ!あのV字飛翔はチュウヒだ。止まれ止まれ、あの木に止まれ!との願いも虚しく、利尻富士に向かって通り過ぎてしまった。
長沼ではまたツメナガセキレイが鳴きながら飛んでいた。逆光なので、もういいやと思っていたら、順光側の沼の畔に止まる。凄く近い。うぁ、全身が入らないよ〜!あっ、ズームしたままだったんだ。と、思った瞬間飛んでしまって、順光の全身は撮れずじまいだった。
豊臣の方ではアカエリは勿論、シマアオジもマキノセンニュウも見られていたので、一瞬どうしようかなと考えたが、明朝のことがあるので、旭川へ移動することに。

コヨシキリはここでも囀っていた。

明日は登るぞ旭岳!

途中、道の駅なかがわでお昼をとることにする。15時を過ぎていたのでレストランは閉まっており、入り口にあったテイクアウトの店でカレーを頼む。ナンをつけますかと聞かれ、カレーライスじゃなくてカレースープであることに気付く。北海道では豚丼と並んでスープカレーが流行していることは知っていたが…。レストハウス内で食べた。美味しかったっけど、量が物足りなかった。
ここから旭川駅前の安いビジネスホテルに予約を入れて、先を急ぐ。途中比布大雪SAから旭岳を望む。旭川駅前の安いビジネスホテルを選んだが、旭川駅前で場所が分からず、ぐるぐると。金融機関の入っているビルの3階にフロントがあった。車では見落としてしまう。駐車場はなく、提携先を紹介される。
安かったけど、風呂とベットさえあればOk。これで、今夜は一安心。夕食は、1人で食べる場合一番悩むところ。1人で食べてもおかしくない場所と言えば駅。で、旭川駅の中でまたカレー。お昼のカレースープが少なかったので…。
コンビニで明朝おにぎり3個と缶ビールとおつまみを買う。
9時就寝。走行距離526.5km

この朝のベストショット。光線が悪いけどツメナガセキレイ。

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