識別ノート-04
アビ類冬羽の識別

 ■陸上での見え方

最後に陸上に上がった時にどのように見えるか。

アビ(幼羽から第1回夏羽へ換羽中)

角度が悪くて白色部がよくわからないが、脇後方に盛り上がっているようには見えない。

オオハム

脇に黒褐色部が広がり、白色部は脇後方に盛り上がるように広がっている。

シロエリオオハム

脇の白色部は広く、そのまま脇後方に繋がり、黒白が平行的。

 ■識別点のまとめ

アビに関しては体色や嘴がはっきり見えれば殆ど問題がなく識別出来ると思われます。
しかし、オオハムとシロエリオオハムは、喉輪状の斑の有無だけでは識別が出来ません。既に記してきたようにオオハムにも喉輪状の斑がある個体があり、逆にシロエリオオハムの若い個体などには斑がない場合があるので、決定的な識別点とはなりません。ただ、濃くて太くて、明瞭に繋がった喉輪状の斑が確認出来れば、それはシロエリオオハムと識別出来ます。
さらに、脇後方に白い部分が見えればオオハムと分かりますので、両者は識別が出来ると思われます。

但しこの脇後方の白い部分は、鳥の姿勢や波の変動で見えたり見えなかったりします。特に羽繕いの時には片腹を上げた状態で行うため、アビやシロエリオオハムでも白い部分が大きく見えます。逆にオオハムでも羽繕いの時、逆側から見たら白い部分は見えません。怪我をしていたり、油汚染していた場合などは、長時間片側のみを上げていることがあり、それだけで判断すると、識別を誤ります。

と言うわけでアビ類3種の識別点をまとめて見ましたが、ちょっと微妙だったでしょうか?何らかの足しになればと思います。

羽繕いをするシロエリオオハム。こういう時は脇後方も白く見えるので注意が必要。

その3へ