4.反省点

このような事件を想定して日々鳥見をしていたわけではなかったので、いざとなって分からない事ばかりだったり、後になってしまったと思ったりと、反省すべき点ばかりでした。その点を自戒を込めてまとめてみます。
 
1.狩猟鳥について
狩猟に関しては、昨年今津の有害鳥獣駆除の時調べたのである程度は分かっていました。当然狩猟可能な野鳥についても記憶していたと思ったのですが…。マガンが狩猟鳥ではないと思っていても、その場ではどうだったかな?間違っていないかな?となりました。特に事件当時私にとっては現場が狩猟禁止区域かどうかの線引きも分からない状態だったので、マガンが狩猟鳥か否かは、事件か否かの分かれ目だったわけです。結局携帯電話で狩猟鳥ではない事を確認したあと、警察に110番通報しました。
しかし、この時点で情けない事にマガンが天然記念物であるとは気付いていませんでした。駆けつけた警察と話しているうちに、片野鴨池の「坂網猟」を思い出したしだい。この時点でもまだ場所を定めない天然記念物ではなく、片野鴨池などの場所指定の天然記念物ではなかったかなと思っていました。
図鑑等をフィールドに持っていかないため、即座に確認する事が出来ず、失敗しました。
 
2.禁猟区などについて
事件当時、私は現場が禁猟区なのかどうかが分かりませんでした。11月15日から2月15日までの猟期は知っていましたから、その時が狩猟時期である事は知っていました。二つ池周辺は休猟区が終わったようなことを人づてに聞いた気がしており、狩猟禁止区域での発砲という事件では認識できていませんでした。また、駆けつけた警察官も、現場を禁猟区ではないと言いました。
実際は現場は休猟区であり、駆けつけた警察官は誤っていたのですが、それを指摘する事が出来ませんでした。
従って、警察官は単純に誤射扱いですませようとするような雰囲気がありました。
狩猟シーズンの前には、自らの危険を避ける為と、このような事件対処するために、禁猟区を把握する必要があると反省。
 
3.証拠
駆けつけた警察は現場を禁猟区ではないと思っており、マガンもマガモも良く知らない一般的な方でした。
射殺されたマガンを引き上げていなかったので、撃たれたのがマガンであると言っても、マガモの見間違いではないかと言われました。
マガンの回収にしても、警察はどうするのか指示を出しませんでした。簡単に回収できる場所ではなかったため、私も二の足を踏みました。(結局翌日日本野鳥の会福岡支部の方が苦労して回収されました。)
従って、犯罪の証拠を確保していなかったため、警察は積極的に動きませんでした。
その後野鳥の会の方が事件を通報した際、回収したマガンを証拠品として提出を求められています。
また、撃った犯人を特定できる車の写真や、ナンバーなどの証拠を持っていなかった事も大きな問題でした。私が撃った犯人達を追いかけず、警察が来るまで、現場に待機していたため、証拠を収集する事が出来ませんでした。どう対処して良いのか混乱していた事と、銃を持っている犯人を追いかける危険性も感じていたのかもしれません。
 
4.連絡
私が警察へ110番通報をしたわけですが、その時は「非狩猟鳥のマガンが射殺された」ということで通報しました。本当は「非狩猟鳥で天然記念物のマガンが狩猟禁止区域で射殺された」が正解なのでしょうが、上述のような理由により、簡単な内容で通報しました。
従って、警察も事件の重要性をかなり低く見たのではないかと思います。
私はその時点では警察にしか通報しませんでしたが、他のメディアにも通報しておけば良かったのかもしれません。
 
 
こういった事件に遭遇した場合、犯罪の立証の、犯行者の特定は遭遇した人が負わなければ事件は解決しないようです。駆けつけた警察官が、このような事件はあまり経験した事がない言っており、現場で事情を聞くだけで終わってしまいました。

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