2.事件の概略

2004年1月31日午後2時前、福岡市西区田尻の養魚池、今出池(通称二つ池)にて、天然記念物に指定されているマガン1羽が銃により射殺されました。

現地は県立玄洋高校の裏で、現在休猟区(2005年11月まで)で狩猟は出来ない地域。ゴルフ練習場と下水処理場予定地の間にあり、周囲には農地の外、民家などもあります。二つ池の周辺は犬の散歩や、ウォーキングの人が往来し、釣り人やバードウォッチングを楽しむ人も多いところです。また、この季節玄洋高校の持久走のコースにもなっています。
このマガンは昨年11月下旬頃から姿を見られている若鳥で、池に浮かぶ姿や、道路にでて草などの餌を取る姿が多くの人に見られていました。
発砲したのは黄色ゴムボートをルーフに載せた、白い軽自動車に乗った二人組と思われます。発砲者は今出第一池と第二池の間の道から、第二池の池畔にいたマガンを、車の後部座席から20m以内の近距離で撃ったと思われます。

私が車を停めていた場所から現場を望む。(2.2撮影)

犯人の車の位置からから現場を見る。(2.2撮影)

マガンは右脇腹に被弾して、しばらくは息がありましたが、口に中を真っ赤にして落鳥しました。
発砲者は発砲後一度現場を去り、再度戻ってきたところ、人がいる事に気付き、そのまま走り去りました。その後も北側の養護学校周辺でも同じ車両と思われる車が、獲物を物色するように徐行運転する姿が目撃されています。
事件直後の110番通報により、福岡西署のパトカーが2時半頃到着。事件の顛末を伝えましたが、車のナンバーが分からない事から、それ以上の捜査はありませんでした。パトカーの巡査は誤って現地を狩猟禁止区域ではないと言い、狩猟鳥との誤認ではなかったのかと尋ねていました。従って、事件当初は、狩猟禁止区域での発砲という違法行為では捜査されていませんでした。

マガンの遺体は翌2月1日、(財)日本野鳥の会福岡支部の会員によって引き上げられ、福岡西署に提出されました。同署では捜査をしているとの事ですが、車の特定が出来ず、進展がないようです。《2004.2.4記》

丸の中が撃たれて水に沈んだマガン(1.31撮影)

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