1.はじめに

2004年1月31日、今津の二つ池にて、天然記念物に指定されているマガン1羽が、銃により射殺されるという事件が起こりました。私はたまたまそこにいあわせましたが、残念ながら事件そのものは見ていません。
しかし、事件当時、現場で鳥を見ていたのは私と、もう一人の方の2名しかいなかった関係で、事件に積極的に関わる事となりました。
この事件は2月3日西日本新聞により取り上げられましたが、そのご進展のないまま、忘れ去れようとしています。

私にとってはこのような事件に遭遇したのは初めてで、どうしたら良いのか、まごつくばかりでした。こうしよう、ああしようと言う気持ちはあっても、空回り。なかなか、実現できず、結局何も出来ないままに過ぎてしまった気がします。
朝日新聞にはここに書いた文章等をFAXで送りましたが、音沙汰ありません。西日本新聞に先に掲載されていた事や、事件の進展がなかった事が原因なのかと思います。
警察からも一度電話があって車のナンバーのい事を聞かれただけです。
時間だけがどんどんと過ぎていきます。
そして、悔やむ事ばかりです。

2度と同じような事件は起こって欲しくありませんし、ましてやまた事件に遭遇したくなどありません。
しかし、こういう事件に遭遇して分かった事や、鳥見する上での心構えみたいなものがあるのだと言う事が分かってきました。
それを書き記さなくては、私はこの事件を乗り越える事が出来ない気がします。
マガンは天然記念物と言っても、たかが鳥が撃たれただけの事で、そんな大げさなと言われるかも知れません。しかし、鳥を見る事を趣味にしている人間として、身近に起こったこの事件をさらりと流す事など出来ませんでした。この事件は、過失ではなく、故意に引き起こされた事が分かっているからです。
法を守らない猟銃を持った人間が身近にいた事、その悪意としか言えない「マガンを撃った」気持ちを考えると、平常心ではいられませんでした。
ということで、事件の顛末と、それに関する事をまとめてみます。

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