2003年9月の観察記録

9月5日

発見-産卵
道路より一段低い休耕田でジシギがいないかと探していたら、タマシギのペアが見つかる。
雨水の溜まった湿地に状態になっており、イネ科の植物にの株に寄り添うようにしてその姿が見られた。
車は4駆なので、座席位置が高いためその姿がよく見えるが、逆光位置なので写真は撮りにくいし、交通量も結構あるので、観察もそこそこにその場を離れた。
しかし、この日以降同所で雌の姿は見られず、雄が同じ位置にじっとしていることから、この時が産卵と抱卵開始と推定される。

9月14日

抱卵
久し振りに同所をゆっくり見たら、雄は前回と同じ場所にいた。この時点では抱卵中とは気づかず、たまたま同じ場所にいたと考えていた。

9月16日

卵確認
今日もいれば抱卵に間違いないと見に行くと、雄の姿はなく、卵が見えた。卵の数はこちらからは3個見えた。
雄は採餌中だったのだろう、道を挟んだ隣の休耕田で雄の姿を発見。こちらに気付いて、飛んで卵のある休耕田に戻る。その後抱卵に戻ったかどうか、確認しなかったのは残念。
タマシギは通常4個産卵するので、見えていない卵があるのかも知れない。

9月21日

抱卵継続

9月23日

抱卵継続

9月25日

孵化-巣立ち
そろそろ孵化しても良い頃だと思い見に行くと、前日の雨で水嵩が増えていた。
雄はまだ抱卵中。別個体の子連れの雄が近くにいた。同じ雌の子供なのだろう。後ろから車が来たのでいったんその場を離れる。
 
暫くして再度巣の場所に戻ってくると、雄の姿が無く、割れた卵が1個見えた。そして巣の下の水溜まりに孵化したばかりの雛と思われる個体が、もがいていた。幼綿羽は生えそろっていず、自力では水から上がれないようだった。また、後ろから車が来たので移動。
 
再度元に戻ると、3羽の雛を連れた雄の姿が巣の横にいた。最初に見た別個体かと思ったが、雛の大きさが違う。生まれて時間が余り立っていないと思われたので、ここで抱卵していた個体と思われた。とことこと歩いてきて巣のある株の影に隠れた。水に落ちた雛をどうするのか興味あったがこちらの視線が気になるのかも知れないと思って、移動。
 
やはり気になって暫くしてから戻ると、水の中にまだ雛はいた。どんどん弱々しくなっていく気がして、田圃に入ろうかととも考えたが、すぐ近くにまだ雄の姿があったので、手出しをせずに帰る。
 
最後の1卵がこの日孵化した事が分かる。丁度抱卵20日。他の殻がないことから、孵化後殻を片付けたものと思われるので、かなり遅れて最後の1卵は孵化したのではないだろうか。
この雛は生まれてすぐに水に落ちたものと思われる。雄はそれに気づかなかったのか、何らかの外敵に襲われて、先に生まれた雛を連れて危険を回避していたのかも知れない。

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