1.はじめに

タマシギは名前の通りシギやチドリの仲間で、勾玉を思い出させる独特なアイリングと、雌の方が綺麗な一婦多夫の繁殖形態などから人気のある鳥です。
福岡でも今津などでは留鳥として繁殖していますが、夜行性であまり開けたところには出てこないので、なかなかその姿を見ることが出来ない鳥です。
そんなタマシギの繁殖を、2003年にほぼ通してみることが出来ましたので、まとめみました。
 

※写真上が雄、写真下が雌。

2.タマシギの生態

縄張り
一婦多夫の繁殖形態なので、繁殖期には雌が縄張りを持ち、そのテリトリー内に1〜数羽の雄が棲息する。
雌はテリトリーを宣言するため、夕方から夜にかけて「コォー コォー」と鳴く。
 
左の写真は、私が唯一雌の鳴く姿を目撃した時のもの。小雨の降る中、休耕田に雄と雛の群が見られて、それを見ていたら、鳴き声が聞こえ、畦から姿を現した。
(2003.8.17今津にて撮影)

採餌
草の生えた椎地に棲息し、ミミズや昆虫などの小動物を捕らえる。草の実を食べることもある。
(2001.8.29今津にて撮影)

産卵
巣は雄が主に作り、草の株の中の窪みなどに、草を摘んで皿形に作られる。産卵期は4〜7月で、雌は普通4個の卵を産む。産卵が終わった雌は、巣から離れ、別の雄とつがいになる。
 
左の写真上は農道から10mと離れていない蓮田横の休耕田でタマシギのペアを見つけたもの。後で写真をよく見るとメスの足の間に卵が見えた(下の写真)。
抱卵は雄だけが行うので、雌が産卵したばかりだと思われる。
その後4日ほど雄が抱卵しているのが見られたが、あまりにも見えすぎる場所で、イタチなどにやられたのか営巣放棄したようだった。
(2002.9.3今津にて撮影)

育雛
抱卵は雄だけが行い、約19日位で孵化する。孵化後雛は半日くらいで巣を離れ、雄とともに行動する。
 
左の写真には3羽しか雛が写っていないが、この時も4羽いた。
(2001.9.8今津にて撮影)

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