タカ目
ACCIPITRIFORMES
タカ科
Accipitridae
ハイタカ属
Accipiter (Brisson, 1760)

ハイタカ(鷂、灰鷹)
Accipiter nisus (Linnaeus, 1758)  Eurasian Sparrowhawk
L♂32cm♀39cmW60〜79cm
冬鳥
平地から山地の林・河川敷・農耕地
【1】雄。飛翔。2018.03.29福岡県福岡市、小呂島にて撮影。
白いお腹に横縞が綺麗な小型のタカ類。
■形態
雄は額から頭部、上面は青灰色で、目の周囲及び目の後方も青灰色。眼先は白っぽい。白い眉斑はあっても細いか短い。喉から下は白く、橙褐色の横斑が胸、脇にある。虹彩は橙色味のある黄色。嘴は灰色で先が黒い。蝋膜は黄色。足は中趾が長く、黄色。
雌は一回り大きく、額からの上面は褐色味があるが、雄とほぼ同じ青灰色の個体もいる。白い眉斑は雄より明瞭だが、個体によって大きさは異なる。喉には灰褐色の細い縦斑が密にある。
幼鳥は雌成鳥に似るが、額からの上面はより褐色味をまし、淡い茶褐色の羽縁が各羽にある。また、胸の横斑は暗褐色で、太く、三日月型等の形で、途切れている事が多い。
■採餌
主にツグミ位までの小鳥を狩り、ネズミやリス等を捕まえる事もある。
■亜種
7亜種あり。ヨーロッパからシベリア南西部と中央アジアに分布する亜種A.n.nisus、 シベリア北西部から中国北部と日本に分布する亜種ハイタカ(A.n.nisosimilis)、 パミール高原からテンシャン山脈(中央アジア)に分布する亜種A.n.dementjevi、 アフガニスタン東部から中国南西部に分布する亜種A.n.melaschistos、 コルシカ島とサルデーニャ島に分布する亜種A.n.wolterstorffi、 アフリカ北西部に分布する亜種A.n.punicus、 マデイラ島とカナリア諸島に分布する亜種A.n.granti
■分布
ヨーロッパ、北アフリカ、中東、シベリア、カムチャッカ、中国東部で繁殖、北部のものは、中東、紅海沿岸、インド、東南アジア、朝鮮半島等で越冬する。
日本では亜種ハイタカ(A.n.nisosimilis)が留鳥として四国以北に分布するほか、冬鳥として全国に渡来する。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で、10〜4月頃見られる。
【室見川】橋本橋周辺、西部運動公園等で観察。
【今津】田尻、太郎丸等の農耕地で観察できた。

【2】雄。1と同一個体。2018.03.29福岡県福岡市、小呂島にて撮影。

【3】雄。飛翔。胸の横班等赤みの少ない個体。2018.03.29福岡県福岡市、小呂島にて撮影。

【4】雄。眉斑のある個体。2005.03.13室見川内野にて撮影。

【5】雄。眉斑のある個体。2005.03.13室見川内野にて撮影。

【6】雌。飛翔。2016.04.02福岡県福岡市、小呂島にて撮影。

【7】雌。尾羽の横班は明瞭。2011.11.10福岡県福岡市、小呂島にて撮影。

【8】幼鳥。胸の斑が奇麗な横班ではない。2014.03.27大分県大分市、佐賀関にて撮影。

【9】幼鳥。上面は褐色で白い羽縁が残っている。2014.03.27大分県大分市、佐賀関にて撮影。

【10】幼鳥。2015.02.12長崎県諫早市、諫早干拓にて撮影。

【11】幼鳥。2015.11.12鹿児島県出水市、東干拓にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2020/10/05作成