タカ目
ACCIPITRIFORMES
タカ科
Accipitridae
チュウヒ属
Circus (Lacépède, 1799)

チュウヒ(沢鵟)
Circus spilonotus Kaup, 1847  Eastern Marsh Harrier
L♂48cm♀58cm W113~113cm
冬鳥及び留鳥
芦原・農耕地・草地・干拓地
【1】国内型雄。2012.04.11北九州市若松区にて撮影。
芦原を翼をV字形にして低く滑るように飛ぶタカ類。
■形態
羽色には個体差が多く。全身が褐色味のあるの国内型と、雄成鳥の上面が黒い大陸型がある。
国内型雄は上面が暗褐色で羽縁は淡褐色。翼は長く初列風切り先端は黒い。腰が白いものもいるが範囲は狭い。尾羽も長く黒褐色の横斑があり、中央尾羽は青灰色、外側尾羽は褐色。体下面は淡褐色で、黒褐色の縦斑がある。嘴は鉛色で先端が黒く、蝋膜は黄色。虹彩も黄色。足も黄色い。
雌は全身褐色で、黒褐色や淡褐色の斑がある。
幼鳥の虹彩は暗褐色だが、国内型雌にも虹彩が暗褐色のものがある。
大陸型雄は頭部から背、肩羽、外側初列風切と小雨覆の大半が黒く、他は灰色で、腰は白い。下面は白く、胸に黒い縦斑がある。
■鳴き声
繁殖期以外は殆ど鳴かない。デイスプレー時に雄が「ミューア《「ミュー《と鳴き、給餌の時は「キキキキキッ《と鳴く事がある。「チュウヒ《と聞こえる声で鳴くという説もあり、一度体験した。
■採餌
芦原を低く飛び、小鳥や昆虫、小型哺乳類、爬虫類等を捕まえる。
■繁殖
芦原などの地上に、芦の茎や小枝などを積み重ねて皿形に造巣。通常4~6個産卵し、放卵日数は約35日、巣立ちまでは約37日。
■特徴
冬期ねぐらは芦原に集団でとる。
■吊前の由来
江戸時代前期から「ちうひ《として知られ、腰が白いことから「こししろだか《などの異吊もあるが、「ちうひ《の語源は上明で、低く飛ぶので中飛であるとか、鳴き声によるものとか諸説ある。
■亜種
亜種はない。
■分類問題
日本鳥類目録第7版ではパプアチュウヒ(Circus spilothorax)を含めて種チュウヒとしているのか、日本で見られるのは亜種チュウヒ(Circus spilonotus spilonotus)としている。
■分布
バイカル湖からモンゴル、中国東北部、沿海州く繁殖し、冬季は東南アジアで越冬する。
日本では本州中部以北等で局地的に繁殖する他は、冬鳥として本州以南に渡来する。
■福岡での事例
福岡では1990年頃まで今津で越冬する冬鳥だったが、現在は少ない。北九州の方では2004年以降繁殖が確認されている。
【今津】2015年1月に三角池、2015年11月、2021年12月に田尻で観察した。 【福津市】2009年11月に津屋崎で確認されている。

【2】国内型雄。2012.04.11北九州市若松区にて撮影。

【3】国内型雄。2018.05.30長崎県諫早干拓にて撮影。

【4】国内型雄。2018.05.30長崎県諫早干拓にて撮影。

【5】国内型雄。2002.12.08山口県山口市きらら浜にて撮影。

【6】大陸型雄。2002.02長崎県諫早市、諫早干拓にて高山寔氏撮影。

【7】大陸型雄。2002.02長崎県諫早市、諫早干拓にて高山寔氏撮影。

【8】大陸型雄。2002.02長崎県諫早市、諫早干拓にて高山寔氏撮影。

【9】国内型雌。2008.12.01島根県斐伊川にて撮影。

【10】国内型雌。2011.01.28長崎県諫早干拓にて撮影。

【11】幼鳥雄。2011.01.26長崎県諫早干拓にて撮影。

【12】若鳥雌。2012.03.02長崎県諫早干拓にて撮影。

【13】餌の受け渡し。上が雄。2018.05.30長崎県諫早干拓にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/03/23作成