- 芦原を翼をV字形にして低く滑るように飛ぶタカ類。
- ■形態
- 羽色には個体差が多く。全身が褐色味のあるの国内型と、雄成鳥の上面が黒い大陸型がある。
国内型雄は上面が暗褐色で羽縁は淡褐色。翼は長く初列風切り先端は黒い。腰が白いものもいるが範囲は狭い。尾羽も長く黒褐色の横斑があり、中央尾羽は青灰色、外側尾羽は褐色。体下面は淡褐色で、黒褐色の縦斑がある。嘴は鉛色で先端が黒く、蝋膜は黄色。虹彩も黄色。足も黄色い。
雌は全身褐色で、黒褐色や淡褐色の斑がある。
幼鳥の虹彩は暗褐色だが、国内型雌にも虹彩が暗褐色のものがある。
大陸型雄は頭部から背、肩羽、外側初列風切と小雨覆の大半が黒く、他は灰色で、腰は白い。下面は白く、胸に黒い縦斑がある。
- ■鳴き声
- 繁殖期以外は殆ど鳴かない。デイスプレー時に雄が「ミューア《「ミュー《と鳴き、給餌の時は「キキキキキッ《と鳴く事がある。「チュウヒ《と聞こえる声で鳴くという説もあり、一度体験した。
- ■採餌
- 芦原を低く飛び、小鳥や昆虫、小型哺乳類、爬虫類等を捕まえる。
- ■繁殖
- 芦原などの地上に、芦の茎や小枝などを積み重ねて皿形に造巣。通常4~6個産卵し、放卵日数は約35日、巣立ちまでは約37日。
- ■特徴
- 冬期ねぐらは芦原に集団でとる。
- ■吊前の由来
- 江戸時代前期から「ちうひ《として知られ、腰が白いことから「こししろだか《などの異吊もあるが、「ちうひ《の語源は上明で、低く飛ぶので中飛であるとか、鳴き声によるものとか諸説ある。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分類問題
- 日本鳥類目録第7版ではパプアチュウヒ(Circus spilothorax)を含めて種チュウヒとしているのか、日本で見られるのは亜種チュウヒ(Circus spilonotus spilonotus)としている。
- ■分布
- バイカル湖からモンゴル、中国東北部、沿海州く繁殖し、冬季は東南アジアで越冬する。
日本では本州中部以北等で局地的に繁殖する他は、冬鳥として本州以南に渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡では1990年頃まで今津で越冬する冬鳥だったが、現在は少ない。北九州の方では2004年以降繁殖が確認されている。
【今津】2015年1月に三角池、2015年11月、2021年12月に田尻で観察した。
【福津市】2009年11月に津屋崎で確認されている。
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