- 市街地で多く見られる全身黒色のカラス類。
- ■形態
- 雌雄同色。
全身黒く紫色や青い光沢がある。嘴は太く、上嘴先端は大きく湾曲する。額は出っ張っていて、嘴基部との間に段差があり、ハシボソガラスとの大きな相違点になっている。
- ■鳴き声
- 「カァーカァーカァー」「アーアーアー」等ハシボソガラスより澄んだ声で鳴くほか、「ガァーガァー」と濁った声でもなく。「アハハ、アハハ」「カポンカポン」等と鳴く事も。鳴く時に頭を上に向け、嘴を突き出して鳴く。
- ■行動
- ハシボソガラスと混住するが、開けた農耕地などでは少なく、山地や、都市部、住宅街で多い。
- ■採餌
- 雑食性で、動物の死骸や、鳥の卵や雛、弱った鳥獣、木の実などを食べる。市街地では人間が出すゴミなどをあさる。食物を蓄える習性がある。
- ■繁殖
- 産卵期は3〜6月。つがいで縄張りを持ち、高い木の梢などに木の枝で椀型の大きな巣を作る。通常3〜5個産卵し、抱卵日数は19〜20日。巣立ちまでは30〜35日。巣立ち後も長く家族群で生活し、非繁殖期は数羽〜数十羽単位で集団行動し、竹藪などに集団塒を持つ。
- ■亜種
- 9亜種あり、
サハリン中央、南部、千島列島及び日本で繁殖する亜種ハシブトガラス(C.m.japonensis)、
琉球列島北部(奄美列島、沖縄諸島)で繁殖する亜種リュウキュウハシブトガラス(C.m.connectens)、
琉球列島南部(与那国島を除く八重山諸島)で繁殖する亜種オサハシブトガラス(C.m.osai)、
シベリア東、南東部、サハリン北部、朝鮮半島及び中国北東部、対馬で繁殖する亜種チョウセンハシブトガラス(C.m.mandshuricus)、
中国中央、南部、台湾、海南島及びインドシナ北部で繁殖する亜種C.m.colonorum、
チベット及びヒマラヤ東部からミャンマー北部及び中国南部で繁殖する亜種C.m.tibetosinensis、
アフガニスタン及びヒマラヤ中央部を通ってパキスタンで繁殖する亜種C.m.intermedius、
マレー半島、スマトラ、ジャワ及びバリからロマン島、セルマータ(小スンダ列島)繁殖する亜種C.m.macrorhynchos、
フィリピンで繁殖する亜種C.m.philippinus。
- ■分布
- ウスリーから東南アジアにかけて繁殖する。
日本では小笠原を除く全国に留鳥として分布。
- ■福岡での事例
- 福岡でも留鳥で都心や山地で一年中見られる。
【室見川】公園、市街地。
【今津】周辺一帯。
【和白】周辺一帯。
【大濠公園】周辺一帯。
【油山】周辺一帯。
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