- オオジュリンに良く似ているが、小さく、赤味の少ないホオジロ類。
- ■形態
- 雄夏羽は、頭部から喉、胸の上部までが黒く、顎線から続く後頸が白い。上面は淡い灰褐色で、黒褐色の軸斑がある。風切は黒褐色で、初列には白い羽縁があり、次列、三列は淡灰褐色の羽縁がある。腰、上尾筒も淡い灰褐色。小翼羽は青灰色。尾は中央尾羽が淡い灰褐色で、軸斑は黒褐色。外側尾羽2対は白く、その他は黒褐色。側胸から下は白い。嘴は小さく、上嘴は黒く、また嘴峰は直線的。下嘴は肉色で、上嘴とのコントラストがある。脚は肉色。
雌は頭が淡褐色で、眉斑は淡色。顎線は黒褐色。
雄冬羽は雌に似るが、頭部と喉が黒っぽい。脇に黒褐色の縦斑のある個体もいる。
- ■鳴き声
- 地鳴きは「チュイン」「チー」でオオジュリンよりか細い。
- ■採餌
- 越冬期は嘴で葦の茎を割って、越冬している虫などを食べる。
- ■備考
- 芦原などに、良く似たオオジュリンと一緒に越冬しているので、捜すのが難しい。
- ■亜種
- 4亜種ある。
シベリア南中央部、モンゴル北部および中国北東部で繁殖する亜種オオシベリアジュリン(E.p.pallasi)、
シベリア中央部からロシア北西部で繁殖する亜種E.p.minor、
ヨーロッパロシア北東部からカムチャッカ北部で繁殖する亜種シベリアジュリン(E.p.polaris)、
モンゴル北西部、中央部、北東部繁殖する亜種E.p.lydiae。
- ■分布
- ウラル山脈からチェトコ半島までのシベリア、モンゴル、中国北東部で繁殖し、冬季は朝鮮半島、中国で越冬する。
日本には少ない冬鳥として亜種シベリアジュリンが日本海側、九州に渡来する。また、亜種オオシベリジュリンの記録が佐賀で1例ある。
- ■福岡での事例
- 福岡でも少ない冬鳥として芦原などに渡来する。
【今津】2010年10月、2012年12月、2022年1月などに田尻で観察。
【和白】1998年3月に記録がある。
【新宮町】1996年5月に相島で記録がある。
【福津市】2018年11月に津屋崎で記録がある。
【宗像市】2008年に曲で記録がある。
|