スズメ目
PASSERIFORMES
ホオジロ科
Emberizidae
ホオジロ属
Emberiza (Linnaeus, 1758)

オオジュリン(大寿林)
Emberiza schoeniclus (Linnaeus, 1758)  Common Reed Bunting
L16cm W25cm
夏鳥又は冬鳥
湿原・葦原
【1】雄夏羽。2005.06.27北海道紋別町、コムケ湖にて撮影。
夏には頭巾をかぶったように黒い頭が特徴のホオジロ類。
■形態
雄夏羽は、頭部から喉、胸の上部までが黒く、顎線から続く後頸が白い。上面は茶褐色で、黒褐色の縦斑がある。腰、上尾筒は灰褐色。尾は黒褐色で、外側尾羽2対には白い。側胸から下は白いが脇に褐色の縦斑がある。嘴は灰褐色で、上嘴は黒っぽい。脚は赤黒い。
雌は頭が褐色で、顎線は黒。眉斑と外頬線が白い。上面はオスより淡い。 雄冬羽は雌に似るが、頭部と喉が黒っぽい。
■鳴き声
繁殖期は「ジュッチィーチィーチィィチュリリ」等と少し濁った声でゆっくりとさえずる。地鳴きは「チッ」だが、越冬期は「チュウイー」や「チュリーン」と鳴く事が多い。
■行動
越冬期は10数羽の群れでいる事が多い。
■採餌
葦の茎に縦にとまることができ、ガの幼虫などの昆虫類を捕らえる。越冬期は嘴で葦の茎を割って、越冬している虫などを食べる。
■繁殖
産卵期は5~7月。草の根元等に椀形の巣を作り、通常4~5個産卵する。抱卵日数は約13~14日で、巣立ち迄の日数は約10~13日。
■亜種
19亜種あり。
スペイン北西部及びポルトガルで繁殖する亜種E.s.lusitanica、 ヨーロッパ西、北、北中央部からロシアヨーロッパ部北部で繁殖する亜種E.s.schoeniclus、 シベリア北西部で繁殖する亜種E.s.passerina、 シベリア中央部で繁殖する亜種オオジュリン(E.s.parvirostris)、 シベリア南中央部及びモンゴル北東部からカムチャツカ半島、クリル島、日本、中国東北部 で繁殖する亜種E.s.pyrrhulina、 シベリア南西部及びカザフスタン北部で繁殖する亜種E.s.pallidior、 オーストリア東部、ハンガリー、シベリア北部及びルーマニア北西部で繁殖する亜種E.s.stresemanni、 モルドバ及びウクライナからロシアヨーロッパ部中央部で繁殖する亜種E.s.ukrainae、 ロシアヨーロッパ部南東部からカザフスタン北西、中央、北東部で繁殖する亜種E.s.incognita、 スペイン(北西部を除く)、フランス南部、サルデーニャ、バレアレス諸島及びモロッコ で繁殖する亜種E.s.witherbyi、 イタリア及びアドリア海沿岸からアルバニアで繁殖する亜種E.s.intermedia、 ブルガリア、ルーマニア、黒海地方で繁殖する亜種E.s.tschusii、 アルバニア南東部、ギリシャ北西部、マケドニア、トルコ西、中央部で繁殖する亜種E.s.reiseri、 トルコ東部、コーカサス、イラン北部で繁殖する亜種E.s.caspia、 イラン南西、東部、トルクメニスタン南部で繁殖する亜種E.s.korejewi、 カザフスタン西部から南東部で繁殖する亜種E.s.pyrrhuloides、 カザフスタン東部からモンゴル中央部及び中国北西部で繁殖する亜種E.s.harterti、 中国西部で繁殖する亜種E.s.centralasiae、 中国西中央部で繁殖する亜種E.s.zaidamensis
■分布
ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯で広く繁殖する。日本では東北以北で繁殖し、冬期は暖地へ移動する他、全国に冬鳥として大陸から渡来する。
日本に分布するのは亜種オオジュリン(E.s.parvirostris)。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で10~4月。
【室見川】新室見橋より上流の葦原。
【今津】田尻の二つ池などの葦原。

【2】夏羽に換羽中の雄。2004.03.03福岡県福岡市、今津周船寺川にて撮影。

【3】雄夏羽。2002.06.29北海道浜中町にて撮影。

【4】冬羽。頭部に黒みがあるのでオスかも知れない。2004.03.03福岡県福岡市、今津周船寺川にて撮影。

【5】雌夏羽。2005.06.27北海道紋別町、コムケ湖にて撮影。

【6】雌冬羽。2002.02.15福岡県福岡市、今津二つ池にて撮影。

【7】頭部に黒みがなく、頬に黒斑があり、雄第1回冬羽かもしれない。2004.03.13福岡県福岡市、今津周船寺川にて撮影。

【8】腰は灰褐色。2005.02.02福岡県福岡市、室見川矢倉橋メダカ池にて撮影。

【9】外側尾羽に白斑がある。2005.02.02福岡県福岡市、室見川矢倉橋メダカ池にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2024/05/07作成