- 翼裏に白色部が食い込むグンカンドリの仲間。
- ■形態
- 雄は全身が光沢のある黒で、翼は非常に長く、先が尖っており、尾は燕尾型で長い。喉袋は赤く、腹から脇に白色班がある。灰白色の嘴は長くて、先端が鍵状にまがっている。足は淡赤色で短い。
雌は淡赤色のアイリングがあり、前頸から胸は白く両脇から翼まで白色部が食い込む。
幼羽の頭部は淡褐色で、亜成鳥になるに従い摩耗で白くなる。背からの上面は黒褐色で、中雨覆は褐色。側胸から黒褐色部細が伸びて仕切られ、腹は白い。腹部の白色部は内側下雨覆の2〜4列目まで伸びる。
- ■鳴き声
- 繁殖地では「ギギギギ…」と言う鳴き声で鳴く。
- ■採餌
- 水面すれすれを飛び、魚類やイカなどを長い嘴で掬い上げていく捕食する。また、他のカツオドリやミズナギドリなどを追い回して、飲み込んでいる餌を吐き出せて奪う。
- ■繁殖
- 島嶼の低木の生えている場所にコローニーを作り繁殖する。樹上に小枝を組んで造巣して、通常1個産卵する。抱卵期間は45〜55日。巣立ちまで約半年。繁殖に伴って雄は、風船のように赤い喉袋を膨らませて、雌にディスプレーする。
- ■備考
- 従来の分類ではグンカンドリ科はペリカン目であったが、2012年度発行日本鳥類目録改訂7版よりペリカン科、ネッタイチョウ科以外はカツオドリ目として分離した。
- ■亜種
- 3亜種あり、南大西洋に分布する亜種F.a.trinitatis、西インド洋に分布する亜種F.a.iredalei、東インド洋から中部太平洋に分布する亜種コグンカンドリドリF.a.ariel。
- ■分布
- 大平洋、インド洋の熱帯及び亜熱帯、大西洋のトリニダード諸島に分布。日本には迷鳥として北海道から九州の大平洋岸、佐渡、見島、五島、伊豆諸島、小笠原諸島、硫黄列島、南鳥島、奄美諸島、琉球諸島などに飛来する。
日本で見られるのは亜種コグンカンドリドリ(F.a.ariel)。
- ■福岡での事例
- 福岡でも迷鳥として記録がある。
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