チドリ目
CHARADRIIFORMES
カモメ科
Laridae
アジサシ属
Sterna (Linnaeus, 1758)

アジサシ(鯵刺)
Sterna hirundo Linnaeus, 1758  Common Tern
L37~43cm W94~110cm
旅鳥
干潟・海岸
【1】亜種アジサシ。2001.05.19千葉県習志野市、谷津干潟にて撮影。
黒い頭と黒い嘴の中形のアジサシ類。
■形態
雌雄同色。
亜種アジサシ夏羽では額から頭上、後頸が黒く、頬から頸は白い。胸から下は淡灰色で、下に行く程濃くなる。背から翼は灰色で、上尾筒と尾は白い。尾は切れ込みの深い燕尾で、外側尾羽外側は黒い。また、尾羽は静止時翼端より突出しない。嘴は細長く黒い。、脚は黒または鈊い赤。
亜種アカアシアジサシ夏羽は背や翼が淡灰色。嘴は赤く先端が黒い。脚は赤い。
冬羽では額は白く、下面も白くなる。
■類似種との識別点
キョクアジサシ成鳥は嘴先が黒くなく、喉からの下面が灰色で、脚が短い。また静止時尾羽は翼端を超える。
■採餌
低空飛行から垂直にダイビングして魚を捕らえる。
■亜種
4亜種ある。
アゾレス諸島、マデイラ島およびカナリア諸島(アフリカ北西部の西、マカロネシア)、 チュニジア (アフリカ北部)、モーリタニアおよびセネガル (アフリカ西部)。 ヨーロッパ内陸部(北極を除く)からシベリア北西部および中国西部まで。 ノースウェスト準州内陸部からモンタナ州、ジェームス湾、カナダ南部、ニューイングランド、北大西洋西沿岸からサウスカロライナ州。 バハマ (上安定)、およびベネズエラの北にある島々で繁殖する亜種S.h.hirundo、 アジア中央部から新疆(中国西部) から内モンゴル北西部、チベット高原南部を通って ラダック東部から青海省で繁殖する亜種S.h.tibetana、 シベリア中央、南部からトランスバイカリア南部、ロシアアルタイ南部およびモンゴル南中央部 で繁殖する亜種アカアシアジサシ(S.h.minussensis)、 シベリア北東部からカムチャツカ、樺太、ウスリーランド、モンゴル東部から中国北東部で繁殖する亜種アジサシ(S.h.longipennis)。
■分布
ユーラシア大陸と北米大陸の温帯から亜寒帯で広く繁殖し、冬季はアフリカ、インド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリア、中米、南米の沿岸で越冬する。
日本には亜種アジサシが旅鳥として春と秋に全国に渡来する。亜種アカアシアジサシも北海道、本州、九州、小笠原諸島、沖縄島で記録がある。
■福岡での事例
福岡では1980年代までは旅鳥として比較的見られていたが、2000年代以降はかなり少なくなっている。亜種アカアシアジサシの記録もある。
【室見川】1979年5月9日に河口で13羽の記録がある。 【今津】2019年9月21日今津干潟で記録がある。
【奈多海岸】2007年6月19日に玄界灘上で記録がある。
【西戸崎】2020年9月17日に玄界灘上で記録がある。
【福津市】2011年9月3日渡で記録がある。

【2】亜種アジサシ。2001.05.19千葉県習志野市、谷津干潟にて撮影。

【3】亜種アカアシアジサシは嘴が赤い。2013.09.10長崎県佐世保市、宇久島にて撮影。

【4】亜種アカアシアジサシは脚も赤い。2013.09.10長崎県宇久島にて撮影。

【5】腰は白から尾は白く、尾はあまり長くないが、深い燕尾。亜種アカアシアジサシ。

【6】亜種アカアシアジサシ。2013.09.10長崎県宇久島にて撮影。

【7】亜種アカアシアジサシ。2013.09.10長崎県宇久島にて撮影。

【8】亜種S.h.hirundo。2024.05.25スペインカナリア諸島、ラスパルマス市内にて撮影。

【9】亜種S.h.hirundo。2024.05.25スペインカナリア諸島、ラスパルマス市内にて撮影。

【10】亜種S.h.hirundo。2024.05.25スペインカナリア諸島、ラスパルマス市内にて撮影。

【11】幼鳥。亜種S.h.hirundo。2024.05.25スペインカナリア諸島、ラスパルマス市内にて撮影。

【12】幼鳥。亜種S.h.hirundo。2024.05.25スペインカナリア諸島、ラスパルマス市内にて撮影。

【13】第1回冬羽。亜種S.h.hirundo。2024.05.25スペインカナリア諸島、ラスパルマス市内にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/06/30作成