ツル目ツル科タンチョウ属
order PROCELLARIIFORMES Family GRUIDAE GRUS

ナベヅル(鍋鶴)
Grus monacha Hooded Crane

L91〜100cm W160〜180cm
冬鳥
水田・畑・河川

【1】2008.11.15鹿児島県出水市荒崎にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。
世界での生息数(約1万羽)の8割が、冬場鹿児島県出水に集中する小型ツル類。
■形態
雌雄同色。額から頭頂が黒く、目の上が赤い。顔から頸は白い。体は全体が灰黒色。虹彩は赤。嘴は黄褐色。足は長く黒い。
幼鳥は頭部から頸までが淡褐色で、体も褐色味がある。
■特徴
マナヅルと比べると乾いた草地を好む。
■採餌
地上を歩きながら、長い頸を伸ばして、草の実や根、昆虫、魚類などを食べる。
■繁殖
湿原に草を積んで営巣する。通常2個産卵する。抱卵日数は約30日。
■鳴き声
「クルルン」等と大きな声で鳴く。デイスプレイの時は「コーワッカ コーワッカ」等と賑やかに鳴き交わす。
■亜種
亜種はない。
■備考
クロヅルとの交雑種ナベクロヅルは頭部はナベヅルと同じだが、喉から前頸は淡灰色。体はクロヅルのように灰黒色で、尾に向かってナベヅルのように黒くなる。
■分布
バイカル湖東部、アムール川流域、中国東北部で繁殖し、朝鮮半島中部、中国長江流域、日本で越冬。日本では鹿児島県出水、山口県八代等に冬鳥として渡来するがその他の地域ではまれな冬鳥。
■福岡での事例
福岡では少ない冬鳥、又は旅鳥として秋春の渡り時に見られることがある。
【室見川】2006年田村大橋西側の農耕地で観察された。
【今津】3〜4月に農耕地で観察された。2005年4月は300羽を越す群れだった。

【2】成鳥。2010.11.4今津工場裏にて撮影。warovski ATM 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX P6000。

【3】成鳥。興奮すると頭部の赤い皮膚の裸出部が広がる。2001.11.25鹿児島県高尾野町東干拓にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】幼鳥。2001.11.25鹿児島県高尾野町東干拓にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】幼鳥。額から目の前が黒くなっている。2001.11.25鹿児島県高尾野町東干拓にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【6】若鳥。殆ど成鳥と変わらないが虹彩が黒い。2005.4.3今津桑原にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】幼鳥の飛翔。2008.1.15鹿児島県高尾野町東干拓にて撮影。Nicon D2H+AF-S NIKKOR ED 300mm+TC-17EII。

【8】成鳥。鳴きながら渡る。2009.10.27佐賀県伊万里市にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 70-300mm ED VR。

【9】秋の渡り。2009.10.27佐賀県伊万里市にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 70-300mm ED VR。

【10】右が混血のナベクロヅル、左はナベヅル。2001.11.25鹿児島県高尾野町東干拓にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2016.11.21改