タカ目タカ科クマタカ属
order FALCONIFORMES Family ACCIOITRIDAE NISAETUS

クマタカ(熊鷹)
Nisaetus nipalensis Mountain Hawk-Eagle

L♂70〜75cm♀77〜83cm W140〜165cm
留鳥
山地の林
【1】成鳥。2013.3.7鹿児島県小林市にて撮影。
黒い顔と冠羽が目立つ森林性の大型のタカ。
■形態
雌雄ほぼ同色。頭部は黒く、後頭に冠羽があり、逆立って白く見える。上面は褐色で尾は白く、太い黒褐色の横帯が4〜5本ある。風切には5〜7本の黒褐色の横帯がある。喉から胸は白っぽく中央に黒褐色の線があり、胸には黒褐色の縦斑がある。腹からの下面は褐色と淡褐色の横縞がある。虹彩は橙色。飛翔時翼上面は褐色に見え、下面は横斑が一面にある。翼は短いが幅は広く、翼端と後縁に丸みがある。
幼鳥は頭部から背が白っぽく、風切や尾の横帯も細く本数が多い。喉からの下面も白っぽく、脇と下尾筒に淡褐色の横斑がある。
■特徴
はばたきはゆったりとしていて、帆翔時に翼は水平を保つ。
■採餌
木の枝に止まって地上を見張り獲物を見つけて飛びかかったり、上空をゆっくりと帆翔、滑翔しながら地上の獲物を見つけて急降下して狩る。ノウサギやムササビ等の中型ほ乳類、ヘビ類、キジバト、キジ、ヒヨドリ等の中型の鳥類を主に捕る。
■繁殖
2月頃求愛行動が始まり、森林内のコメツガやモミの木の枝上に、木の枝を積んで皿上の巣を作る。3月下旬から4月に通常1〜2個産卵し、抱卵日数は約50日。巣立ち迄は70〜80日。
■鳴き声
繁殖時に「ピッピィー ピッピィー」「ピェッ ピェッ」等と鳴く。
■亜種
日本に分布するのは亜種クマタカ(S.n.orientalis)。
■分布
インド南部、スリランカと、インド北部からインドシナ北部、中国南部にかけてと、台湾に分布する。日本では北海道から九州にかけて分布し、留鳥性が高い。
■福岡で観察できる場所及び時期
福岡でも留鳥。
【室見川】秋に曲淵ダムでの観察例がある。

【2】成鳥。2010.5.5鹿児島県小林市にて撮影。

【3】成鳥。飛翔。2010.2.19鹿児島県小林市にて撮影。

【4】成鳥。飛翔。2010.2.19鹿児島県小林市にて撮影。

【5】幼鳥。2013.3.7鹿児島県小林市にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2018.01.24改