タカ目タカ科ハチクマ属
order FALCONIFORMES Family ACCIOITRIDAE PERNIS

ハチクマ(蜂角鷹)
Pernis apivorus Honey Buzzard

L♂57cm♀61cm W121〜135cm
夏鳥
低山から山地の林
【1】オス。淡色型。2013.09.16長崎県平戸市にて撮影。Nicon D7100+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII
翼が長く幅広く、飛翔時に頭部がペン先のように見えるタカ類。
■形態
体色に変化が大きく、体色の暗いものを暗色型、白いものを淡色型と呼び、その中間型もある。
雄は顔が青灰色で、上面は暗褐色。翼は長く幅広く、翼指は6枚。尾は長めで円尾で、2本の太い黒色帯がある。体下面と下雨覆は白いもの(淡色型)から黒褐色(暗色型)まで様々で、体下面が無斑のものから縦斑や横斑があるものまで、個体差が非常に大きいが、翼後端に太い黒色帯がある。蝋膜は黒く、虹彩は暗色でまれに赤いものもいる。
雌は顔が灰色っぽいか褐色。下面の尾羽に雄より細い2〜3本の黒色帯があり、翼後端の黒色帯は細い。虹彩は黄色。
幼鳥や若鳥は翼下面の翼指は黒く、翼後端に黒色帯はなく、次列から三列風切にかけて暗色に見える。蝋膜は黄色で虹彩は暗褐色。
■採餌
蜂の幼虫やさなぎを好んで食べる。地中のジバチの巣を脚で掘り起こす。蜂の毒には免疫があると言われる。カエルやヘビも食べる。
■繁殖
産卵は6月頃。低山の大木の枝に枯れ枝を積み上げて、皿状の巣を作る。通常2個産卵する。抱卵期間は約30日、巣立ちまでには約40日。
■鳴き声
「ピィヨー」と鳴く。
■亜種
日本に渡来するのは、日本鳥類目録6版(2000)ではヨーロッパハチクマと分けずに、ハチクマ(Pernis apivorus)の亜種ハチクマ(P.a.orientalis)とされている。
日本鳥類目録7版(2012)ではヨーロッパハチクマと分け、ハチクマ(Pernis ptilorhynchus)の亜種ハチクマ(P.p.orientalis)とされている。
■分布
バイカル湖周辺からウスリー、朝鮮半島北部、カラフト、インド、東南アジア等で繁殖し、冬季はイン北の個体はインド、東南アジアへ渡る。日本には夏鳥として九州以北に渡来する。
■福岡での事例
福岡では夏鳥で5〜10月頃見られるが、ハチクマの渡りルートになっている為に、9〜10月頃多く観察される。
【油山】秋の渡り時の観察場所としては著名。
【室見川】上空を通過するが、低空を飛行するのを見られることがある。

【2】オスは翼下面風切先端に太い黒色帯がある。オス成鳥淡色型。2013.09.16長崎県平戸市にて撮影。Nicon D7100+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

【3】オス。淡色型。2013.09.16長崎県平戸市にて撮影。Nicon D7100+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

【4】暗色型オス。2012.2.25シンガポール植物園にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm。

【5】暗色型オス。暗色型オス。2012.2.25シンガポール植物園にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm。

【6】中間型オス。2012.9.24長崎県五島市にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

【7】暗色型幼鳥。2012.9.25長崎県五島市にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII

【8】中間型幼鳥。2012.9.24長崎県五島市にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

【9】淡色型幼鳥。2013.9.16長崎県平戸市にて撮影。Nicon D7100+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII

【10】幼鳥は蝋膜が黄色。中間型幼鳥。2012.9.24長崎県五島市にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

【11】幼鳥は蝋膜が黄色。中間型幼鳥。2012.9.24長崎県五島市にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2013.09.18改