スズメ目アトリ科ウソ属
order PASSERIFORMES Family FRINGILLIDAE PYRRHULA

ウソ(鸞)Pyrrhula pyrrhula Eurasian Bullfinch

L15.5cm W26cm
留鳥及び冬鳥
低山から山地の林
【1】亜種ウソのオス。2003.2.3室見川唐の原にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。
頬の紅色が特徴的な小鳥。太宰府天満宮の正月行事「うそかえ」で有名な鳥。
■形態
亜種ウソ雄は、頭が光沢のある黒色で、喉から頬、耳羽までが赤い。後頸から背、肩羽は灰黒色で、翼は黒く、大雨覆の羽先は灰白色。腰は白く。尾は光沢のある黒。胸から腹は灰白色で下尾筒は白い。嘴は短く黒い。足は赤黒い。
雌は後頸が灰色で、背、肩羽、小雨覆は灰褐色。頬や耳羽、喉辛子他は淡灰褐色。
亜種のアカウソの雄は胸から腹が淡い紅色。雌は喉から下に葡萄褐色みがあり、外側尾羽の軸斑は白い。
亜種ベニバラウソの雄は頬と同じ赤みが胸から腹まで続く。雌は褐色部分の黄色みが強い。雌雄とも大雨覆の羽先は白色。
■採餌
蛾の幼虫等の甲虫類やクモなどを食べるほか、サクラなどの花の蕾、新芽、若葉、雑草類の種子を好んで食べる。
■繁殖
産卵期は5〜7月。針葉樹の2〜5m程の高さ枝の上に、細い枯れ枝に、細根やサルオガセなども使用して椀型の巣を作る。産座にはサルオガセ、リゾモルファーなどを敷き詰める。コバルト色の地に紫黒色斑のある長径約2.0cmの卵を、通常4〜6個産卵する。主に雌が抱卵し、抱卵日数は12〜14日、巣立ちまでの日数は12〜16日。
■鳴き声
囀りは「フィーホーフィー」等で、調子の外れた口笛のように聞える。地鳴きは「フィー、フィー」。
■亜種
日本には本州中部以北の亜高山等で繁殖し、冬季は九州以北の暖地や低地に移動する亜種ウソ(P.p.griseiventris)が留鳥として分布するほか、亜種アカウソ(P.p.rosacea)、亜種ベニバラウソ(P.p.cassinii)が九州以北に冬鳥として渡来する。
■分布
ユーラシア大陸の亜寒帯で広く繁殖し、冬季北のものは南へ渡る。日本では亜種ウソが本州中部以北の亜高山等で繁殖し、冬季は九州以北の暖地や低地に移動する。冬季は亜種アカウソ、亜種ベニバラウソが九州以北に渡来する。
■福岡での事例
福岡では冬鳥。11〜4月頃。
【室見川】曲渕ダムで亜種ウソ、亜種アカウソが観察できた。

【2】亜種アカウソのオス。2003.1.12室見川唐の原にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】亜種アカウソのメス。2003.1.12室見川唐の原にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】亜種アカウソのメス。2003.1.12室見川唐の原にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】亜種アカウソのメス。外側尾羽の白い軸斑が見える。2003.1.12室見川唐の原にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2009.11.17改