スズメ目ウグイス科ウグイス属
order PASSERIFORMES Family SILVIIDAE CETTIA
ウグイス(鶯)
Cettia diphone
Japanese Bush Warbler
L♂16cm♀14cm W♂21cm♀17cm
留鳥
林・笹藪・葦原
【1】亜種ウグイス。2006.11.30室見川小田部にて撮影。Nicon D2H.。
「ホーホケキョ」の鳴声だけは、誰でも知っているのに、実際に見たことがある人が少ない鳥。
■形態
雌雄同色。頭部から背、翼、尾が灰色味のあるある暗緑黄色。眉斑は汚白色で、淡い黒褐色の眉斑がある。顔、喉からしたは汚白色で、脇が淡褐色味を帯びる。嘴は細く褐色で、足は茶褐色。尾はやや長い。
■特徴
生息環境の似たオオヨシキリなどのヨシキリ類、センニョウ類は水平にはならないが、ウグイスはムシクイ類と同様に枝に水平に止る。
■採餌
藪の中を活発に移動して葉の上の虫を捕る。
■繁殖
産卵期は5〜6月。低木の枝やササの上に、ススキやササ等の枯葉で横に入り口のある球形の巣を作る。通常4〜6個産卵し、抱卵日数は約14〜16日。巣立ちまでは約14日。
■鳴き声
囀りは「ホーホケキョ」の他に、他に渡りと呼ばれる「ケキョ ケキョ ケキョ」と長く続く声でも鳴く。地鳴きは笹鳴きと呼ばれ「チャッ チャッ」。
■亜種
日本にはサハリン南部、南千島で繁殖する亜種カラフトウグイス(
S.d.sakhalinensis
)、北海道から九州、屋久島、種子島で繁殖する亜種ウグイス(
S.d.cantans
)、小笠原諸島、硫黄列島に留鳥として分布する嘴が細長い亜種ハシナガウグイス(
S.d.diphone
)が分布する。他に南西諸島には亜種リュキュウウグイス(
S.d.riukiuensis
)が繁殖し、1920年代までは大東諸島に亜種ダイトウウグイス(
S.d.restricta
)が繁殖していたが絶滅したと考えられていた。しかし近年の研究で、亜種リュキュウウグイスは亜種カラフトウグイスの越冬個体群であると判明し、沖縄島に留鳥として分布するのは絶滅したとされた亜種ダイトウウグイスの可能性があることが分かってきた。亜種ダイトウウグイスは小型で、全体に羽の色が濃く、額、翼、尾に赤茶色味が強い。
■分布
サハリン南部、南千島で繁殖し、台湾、フィリピン北部で越冬する。日本では全国に分布し、北海道では夏鳥、本州以南は留鳥。
■福岡での事例
福岡では留鳥で一年中見られる。
【室見川】全流域の葦の茂みや薮で観察。冬場は下流の住宅地、公園など。繁殖期は上流の林や薮。
【大濠公園】秋から春にかけて園内の茂み。
【南公園】秋から春にかけて園内の茂み。
【小戸公園】秋から春にかけて園内の茂み。
【2】亜種ウグイス。2005.4.24長崎県対馬市にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990
【3】亜種ウグイス。2001.5.3大分県別府市にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990
【4】亜種ウグイス。2012.11.16大濠公園にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。
【5】亜種ウグイス。2012.11.16大濠公園にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2012.11.20改