スズメ目ヒタキ科トラツグミ属
order PASSERIFORMES Family MUSCICAPIDAE ZOOTHERA

トラツグミ(虎鶫)
Zoothera dauma Scaly Thrush

L29.5cm
留鳥
低山から亜高山の広葉樹林
【1】亜種トラツグミ。2008.2.24鹿児島県御池にて撮影。
想像上の動物鵺(ヌエ)の鳴き声の主と言われるツグミ類。
■形態
雌雄同色。頭部から翼、腰までは黄褐色に黒褐色の鱗状斑がある。尾羽中央2対は暗黄褐色で、外側尾羽は黒く先端に白斑がある。尾羽の数は14枚。胸から下は白く、黄褐色と黒褐色の鱗模様がある。嘴は黒く、下嘴は淡い。足は肉色。亜種オオトラツグミは尾羽は12枚。亜種コトラツグミは外側尾羽先端の白斑がない。
■採餌
ミミズを好み、地上で落ち葉を嘴ではねのけて採餌する。
■繁殖
産卵期は4〜7月。木の枝の上に、蘚類や枯れ枝でお椀型の巣を作る。通常3〜5個産卵する。
■鳴き声
夜から早朝に「ヒィー、ヒィー、ツー」と寂しげに鳴く。地鳴きは「シーッ」「ガッ、ガッ」など。
■亜種
日本では本州、四国、九州に分布する亜種トラツグミ(Z.d.aureus)と、奄美大島と加計呂麻島にのみ棲息する亜種オオトラツグミ(Z.d.amami)、西表島の亜種コトラツグミ(Z.d.horsfieldi)があるが、亜種トラツグミは尾羽の数が14枚で、亜種オオトラツグミは12枚と違い、囀りも違うことから、亜種オオトラツグミは独立の種とされることが多い。
■分布
インド、ヒマラヤ、東南アジア、バイカル湖周辺からアムール、朝鮮半島などに分布。北方のものは冬季には暖地へ渡る。日本には亜種トラツグミが留鳥または漂鳥として本州、四国、九州に分布し、北海道では夏鳥。西表島には亜種コトラツグミが留鳥として棲息されるとするが、詳細は不明。
■福岡での事例
福岡では留鳥。
【室見川】上流唐の原で観察。

【2】亜種トラツグミ。1と同じ個体。2008.2.24鹿児島県御池にて撮影。

【3】亜種トラツグミ。2005.3.29長崎県長崎市にて撮影。

【4】亜種コトラツグミか?2002.12.14沖縄県竹富町にて撮影。

【5】亜種コトラツグミか?2002.12.14沖縄県竹富町にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2008.10.24改