スズメ目ヒヨドリ科シロガシラ属
order PASSERIFORMES Family PYCNONOTIDAE PYCNONOTUS

シロガシラ(白頭)
Pycnonotus sinensis Chinese Bulbul

L19〜20cm
一部で留鳥
林縁・農耕地・住宅地
【1】2002.3.29沖縄県石垣市にて撮影。
頭の白斑が目立つ、沖縄島と八重山諸島に分布する鳥。
■形態
雌雄同色。夏羽では額から頭頂が黒く、目の後方から後頭が白く、短い冠羽となる。後頭の白い羽の先端は黒い。嘴基部から目の下を通って頬まで黒褐色で、耳羽後方に白斑がある。嘴は黒く、虹彩も黒い。喉は白い。背からの上面は灰褐色で、翼と尾の外弁は黄緑色を帯びる。胸は灰褐色で、腹から下は貴白色。足は黒い。
冬羽では後頭の白色部が狭くなる。
■採餌
フライングキャッチで昆虫類を食べたり、木の実を食べるが、地上に降りる事はまれ。
■繁殖
産卵期は3〜7月、雌が1m程の高さの木の枝に枯葉、細根、クモの巣等で深い椀型の巣を作る。通常3〜4個産卵する。抱卵は雌のみが行い、給餌は雌雄ともに行う。
■鳴き声
「キョッキョロー」「ビッキョ、ビッキョ」等とさえずる。
■亜種
日本鳥学会の日本鳥類目録改訂7版では八重山諸島に分布するのは亜種シロガシラ(P.s.formosae)とし、本州や九州などで観察された個体群や沖縄島に分布するのを亜種不明としている。
国際鳥類学会議(IOC)のリストでは八重山諸島に分布するのは亜種ヤエヤマシロガシラ(P.s.orii)とされ、以下の4亜種に分けられている。
中国中部および東部に分布する亜種シロガシラ(P.s.sinensis)。
中国南東部、ベトナム北部に分布する亜種P.s.hainanus
台湾に分布する亜種タイワンシロガシラ(P.s.formosae)。
琉球列島南部に分布する亜種ヤエヤマシロガシラ(P.s.orii)。
■分布
ベトナム北部、中国南部、台湾に分布する。日本では八重山諸島に留鳥として分布。沖縄島では1976年に南部で初めて確認され、北進を続けている。沖縄島の個体群は人為的に持ち込まれた可能性がある。最近長崎県諫早干拓でも繁殖が確認されたが、ルートは不明。
■福岡で観察できる場所及び時期
福岡での観察例はない。

【2】2004.8.24沖縄県大宜味村にて撮影。

【3】】2005.8.19沖縄県金武町にて撮影。

【4】幼鳥。2004.8.24沖縄県大宜味村にて撮影。

【5】幼鳥。2009.9.16長崎県雲仙市にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2009.9.18改