スズメ目サンショウクイ科サンショウクイ属
order PROCELLARIIFORMES Family CAMPEPHAGIDAE PERICROCOTUS

サンショウクイ(山椒食)Pericrocotus divaricatus Ashy minivet

L20cm W28cm
留鳥又は夏鳥
低山から山地の広葉樹林
【1】亜種サンショウクイ♂。2006.5.4室見川愛宕にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。
「ヒリリリ」と鳴く、白黒のスマートな鳥。
■形態
亜種サンショウクイ雌は、額と顔からの体下面が白く、過眼線、頭頂から後頸が黒い。嘴は黒く、虹彩も黒い。背、肩羽、上尾筒は灰色で、尾は長く、黒褐色。外側尾羽は白い。翼は黒褐色で、雨覆、三列風切の外弁は白い。足は黒い。
雌は雄に似るが、額の白色部が狭く、頭頂から後頸が灰色。
亜種リュウキュウサンショウクイは、亜種サンショウクイより少し小さい。雄は上面が暗灰黒色で、額の白色部が狭く、胸も黒っぽい。
雌は背に灰色味が強い。
■特徴
飛び方は浅い波形で、白い翼帯がよく目立つ。
■採餌
樹上の枝先で、クモや昆虫などを捕らえる。地面に降りることは殆どない。
■繁殖
4〜6月頃、高木の横枝に樹皮、細枝など椀型の巣を作り、外側にはウメノキゴケをクモの巣で一面に貼り付ける。産座にはシュロ、獣毛、ススキなどの糸状の素材を敷き詰める。産卵期は5〜6月。長径2.1cm短径1.6cmの青灰色の地に斑点のある卵を、通常4〜5個産卵し、雌だけが17〜18日間抱卵する。巣立ちまでは約14日。
■鳴き声
「ヒリンヒリン」「ヒリリリ」等と聞こえる鳴き声で鳴く。
■亜種
日本には2亜種が棲息する。亜種サンショウクイ(P.d.divaricatus)は夏鳥として本州、四国、九州で繁殖する。亜種リュウキュウサンショウクイ(P.d.tegimae)は南西諸島で留鳥として分布するが、分布が北上し、九州中部でも繁殖が確認されている。
■分布
ウスリー、朝鮮半島で繁殖し、中国南部から東南アジアで越冬。日本では本州、四国に夏鳥として渡来。亜種リュウキュウサンショウクイは南西諸島から九州南部に留鳥として分布。九州北部でも繁殖している可能性がある。
■福岡での事例
亜種サンショウクイは福岡では旅鳥で春、秋の渡りの時期に観察される。亜種リュウキュウサンショウクイは冬期も観察されることから繁殖又は越冬していると思われる。
【室見川】亜種サンショウクイが春に愛宕山で、亜種リュウキュウサンショウクイは上流部で観察。
【油山】秋の渡り時期に観察された。

【2】亜種サンショウクイ♂。2005.4.24長崎県対馬市にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】亜種リュウキュウサンショウクイ。2011.10.1宮崎県小林市にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-20EII。

【3】亜種リュウキュウサンショウクイ♀?。2002.8.23沖縄県金武町にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。

【4】亜種リュウキュウサンショウクイ♂?。2009.2.23大分県臼杵市にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2011.10.2改