スズメ目カササギヒタキ科属
order PASSERIFORMES Family MONARCHIDAE TERPSIPHONE

サンコウチョウ(三光鳥)
Terpsiphone atrocaudata Japanese Paradise Flycatcher

L♂44.5〜45cm ♀17.5cm W28cm
夏鳥
平地から低山の薄暗い林
【1】雄。2004.6.14熊本県熊本市にて撮影。
長い尾のコバルトブルーのアイリングが綺麗な鳥。
■形態
雄は頭部から胸までは紫光沢のある黒で、後頭に短い冠羽がある。背は紫光沢のある褐色で、翼と腰から下は紫光沢のある黒。尾は長く、特に繁殖時には、中央の1対の尾羽が30〜34cmにもなる。腹から下は白い。嘴とアイリングはコバルトブルー。足は黒い。
雌は頭部から胸までは灰黒色で、後頭に短い冠羽がある。背は茶褐色で、翼は黒褐色。尾も茶褐色で、繁殖時にも長くならない。又、アイリングも雄より細い。
亜種サンコウチョウと亜種サンコウチョウの野外識別は困難。
■繁殖
繁殖期は5〜6月で、つがいで縄張りを持ち、周りに葉のない枝の又にカップ状の巣を作る。巣はスギやヒノキの樹皮を主な材料にして、外側にウメノキゴケをクモの糸で貼り付ける。通常4〜5個産卵し、抱卵日数は約12〜14日、巣立ちまでは約12〜14日。
■採餌
木の枝に止まり、空中を飛ぶと虫をフライングキャッチする。
■鳴き声
地鳴きは「ギィ、ビィ」。囀りは「フィチーヒーチィー ホイホイホイ」等と鳴く。この囀りを「月、日、星、ホイホイホイ」と聞きなされて、三光鳥の名前が生まれた。
■亜種
国際鳥類学会(IOC)では3亜種認められており、日本では2亜種が見らる。本州から屋久島に亜種サンコウチョウ(T.a.atrocaudata)奄美大島以南の南西諸島には亜種リュウキュウサンコウチョウ(T.a.illex)が繁殖する。
■分布
本州から台湾、フィリピンにかけて繁殖し、インドシナ半島、スマトラ島で越冬する。日本には本州以南に夏鳥として渡来する。
■福岡での観察事例
福岡でも夏鳥で、5〜9月。

【2】巣に止まる雄。尾は短いが、アイリングの幅や、繁殖状態から雄と思われる個体。2004.6.14熊本県熊本市にて撮影。

【3】繁殖期の雄の尾はこんなに長い。2017.05.20室見川上流野河内にて撮影。

【4】雌。2019.05.08鹿児島県阿久根市にて撮影。

【5】雌。2004.6.14熊本県熊本市にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2019.5.10改