スズメ目ヒタキ科キビタキ属
order PASSERIFORMES Family MUSCICAPIDAE FICEDULA

ムギマキ(麦蒔)
Ficedula mugimaki Mugimaki Flycatcher

L13cm W21cm
旅鳥
平地から山地の広葉樹林
【1】雄。2006.2.22室見川曲淵にて撮影。
春秋の麦蒔きの頃渡来するのでその名が付いた胸のオレンジ色が綺麗なヒタキ類。
■形態
雄は頭から尾までの上面が黒く、目の後方に白い眉斑がある。大雨覆と中雨覆の内側が白く、大きな白斑になる。三列風切外弁と外側尾羽基部も白い。喉から上腹にかけては橙色。下腹から下尾筒は白い。嘴は黒く、足は黒褐色。
雌は上面が褐色で、眉斑などの白色部がない。
雄は4年目に成鳥羽になると思われ、雄若鳥は雌に似るが、眉斑などに雄の特徴がある。
■採餌
枝から飛び上がり飛んでいる昆虫を捕らえるほか、秋の渡りの時期にはカラスザンショウの実をよく啄む。
■繁殖
亜寒帯針葉樹林につがいで縄張りを持ち、雄は梢でさえずる。高木の枝の上に蘚類などで鉢形の巣を作り、通常4〜8個産卵する。
■鳴き声
「ピリッ、ピリッ、ピリッ、ピルッ、チュリチュリ」など金属的な声で長時間さえずる。地鳴きは「ヒッ」「ピッ」。
■亜種
亜種はない。
■備考
学名や英語名は和名のムギマキに由来する。
■分布
シベリア東部からサハリンにかけて繁殖し、中国南部、インドシナ半島、マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島北部などで越冬する。日本には旅鳥として全国を通過するが、数は多くない。
■福岡での事例
福岡でも旅鳥で、4〜5月 、10〜11月頃少数が見られる。
【室見川】秋の渡りの時期に上流曲淵で観察。
【南公園】秋の渡りの時期に観察。春にさえずる姿を観察したことも。
【油山】秋の渡りの時期に観察。

【2】雄。腮から下面が鮮やかな橙色。2004.10.29室見川曲淵にて撮影。

【3】雄。目の後方に白い眉斑が明瞭。2004.10.29室見川曲淵にて撮影。

【4】雄第1回冬羽。2018.11.06鹿児島県阿久根市にて撮影。

【5】雌。2006.2.21室見川曲淵にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2008.10.25改