スズメ目ヒタキ科サメビタキ属
order PASSERIFORMES Family MUSCICAPIDAE TURDUS

コサメビタキ(小鮫鶲)Muscicapa latirostris Asian Brown Flycatcher

L13cm W21cm
夏鳥又は旅鳥
山地〜平地の林
【1】2005.10.3室見川野生の広場にて撮影。
空中で虫をフライングキャッチする、白いアイリングのある灰褐色の鳥。
■形態
雌雄同色。顔、頭部から尾までの上面は灰褐色。アイリングは白く太いが、輪郭は不明瞭。眼先は白い。翼は黒褐色で、尾は暗い灰褐色。初列風切は三列風切より短く、翼先端の位置は尾の半分位。喉から下は淡い灰褐色で、側胸と脇は褐色味を帯びる。嘴は長めで、下嘴基部は広く橙黄色。足は黒っぽい。
幼鳥は頭部からの上面に淡褐色斑が多い。
第1回冬羽は大雨覆先端と三列風切外縁の淡色部が目立つ。
■特徴
サメビタキ類では一番小さく、胸が一番白く、翼も短い。
■採餌
木の梢などに止まり、飛んでいる虫をフライングチャッチする。
■繁殖
産卵期は5〜6月。標高1000m以下迄の明るい林で、高木の枝の上に蘚類などでお椀型の巣を作る。巣の表面にはウメノキゴケ類をクモの巣で貼付け、木の瘤のように見える。通常4〜5個産卵し、抱卵日数は12〜14日。
■鳴き声
囀りは「ツィーチリチョピリリ」など複雑に鳴く。地鳴きは「ツイツイ」。
■亜種
日本で繁殖するのは亜種コサメビタキ(M.d.dauurica)。
■分布
ヒマラヤと、バイカル湖周辺からアムール、ウスリー、中国東北部、サハリンにかけて繁殖し、インド、東南アジアで越冬する。日本には九州以北に夏鳥として渡来し、渡りの時期は平地の公園でも見られる。
■福岡での事例
福岡ではほとんどが旅鳥で、4〜5月、9〜10月に見られる。
【室見川】野生の広場で春秋の渡りの時期に観察された。
【今津】今宿野外活動センターで秋に観察された。
【大濠・舞鶴公園】舞鶴公園で秋に観察された。
【南公園】春秋の渡りの時期に観察された。

【2】2005.10.3室見川野生の広場にて撮影。

【2】2002.9.27室見川野生の広場にて撮影。

【4】嘴は膨らんでいて、裏の基部が広く黄色い。2005.10.13室見川野生の広場にて撮影。

【5】2002.9.30室見川野生の広場にて撮影。翼が短く、背面から見ると尾羽くらいまで。

【6】第1回冬羽。2011.10.4室見川野生の広場にて撮影。

【7】第1回冬羽。2011.10.4室見川野生の広場にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2011.10.5改