スズメ目ヒタキ科キビタキ属
order PASSERIFORMES Family MUSCICAPIDAE FICEDULA

キビタキ(黄鶲)
Ficedula narcissina Narcissus Flycatsher

L13.5〜14cm W21cm
夏鳥又は留鳥
平地から山地の広葉樹林
【1】雄。2015.5.4室見川野生の広場にて撮影。
美しくさえずる、黒い体に黄色い胸が綺麗なヒタキ類。
■形態
雄は頭から背、翼、尾と顔から側胸が黒く、眉斑、腰から上尾筒までは黄色。喉から上腹にかけては橙色から黄色。下腹から下尾筒は白い。黒い雨覆の一部に白斑がある。嘴は黒く、足は黒褐色。
雌は上面が緑褐色で、体下面は淡い褐色味を帯びる。
雄第一回夏羽は雌に似るが、風切等褐色味があり、下面の黄色い部分が喉から胸のみ。
亜種リュウキュウキビタキは亜種キビタキより小さく、三列風切外弁が白い。また、雄の上面の黒色も緑色味を帯びる。
■採餌
枝から飛び上がって昆虫を捕らえる。秋の渡りの時期はカラスザンショウの実なども食べる。
■繁殖
樹洞や繁みなどに枯れ草や細根等で椀型の巣を作り、通常4〜5個産卵する。産卵期は5〜7月で抱卵日数は13日位。巣立ちまでの日数は12日位。
■鳴き声
さえずりは「ピッコロロ、ピョイチィーツクツク」等変化に富む美しい声で鳴く。セミのツクツクホウシのような声も出すのが特徴。地鳴きは「ピッ、ピッ」や「ティリリリリ」等。
■亜種
日本には夏鳥として九州以北に渡来する亜種キビタキ(F.n.narcissina)と、屋久島、種子島から八重山諸島に留鳥として分布する亜種リュウキュウキビタキ(F.n.owstoni)がある。
■分布
国外ではサハリン、中国の一部で繁殖し、インドシナ半島、マレー半島、ボルネオ島などで越冬する。日本には九州以北に夏鳥として渡来し、種子島から八重山諸島では留鳥。
■福岡で観察できる場所及び時期
福岡では夏鳥で、4〜10月頃見られるが、春秋の渡りの時は平地でも観察される。
【室見川】渡りの時期に野生の広場など。繁殖期は曲淵、唐の原など上流部で観察。
【油山】サンクチュアリ内で観察した。

【2】雄。2015.5.4室見川野生の広場にて撮影。

【3】雄。2001.6.22北海道札幌市野幌森林公園にて撮影。

【4】雌。2006.05.01宮崎県高原町御池にて撮影。

【5】雌。腰は緑褐色。2014.9.2にて撮影。

【6】幼羽。2002.6.14室見川曲淵ダム。

【7】幼羽。2014.09.07室見川野生の広場にて撮影。

【8】第1回冬羽。雨覆に淡色の羽縁がある。性別は識別できない。2002.11.13油山にて撮影。

【9】雄第1回夏羽。全身がまだ褐色だが、雄の特徴の黄色が出ている。2003.4.29室見川唐の原にて撮影。

【10】雄第1回夏羽。まだ頭部などに褐色の幼羽が残る

【11】雄第1回夏羽。まだ風切等が褐色。2003.6.17北海道苫小牧市植苗にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2015.09.14改