スズメ目アトリ科カワラヒワ属
order PASSERIFORMES Family FRINGILLIDAE CARDUELIS

カワラヒワ(河原鶸)Carduelis sinica Oriental Greenfinch

L14.5cm W24cm
留鳥
草地・農耕地・公園
【1】2002.7.14今津田尻農耕地にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。
遠くから見ると全身暗い色に見え、嘴だけが白く見えるスズメ大の鳥。
■形態
雌雄ほぼ同色。亜種カワラヒワ雄は頭部が緑がかった褐色で、額から後頸が灰黒色。目の周囲は黒みを帯びる。雨覆はオリーブ褐色で、風切は黒く、翼角、初列・次列風切基部は黄色く、翼帯となる。三列風切外弁は淡い。尾は凹尾で、黒く、外側尾羽基部に黄色の斑がある。旨から下はオリーブ褐色で下腹から下尾筒は黄色い。嘴は太く肌色。足は赤い。
雌は全体が淡く、頭部に褐色身が強い。
亜種オガサワラカワラヒワは体が小さく、黄緑色みが強い。亜種オオカワラヒワは亜種カワラヒワより一回り大きく、三列風切外弁の白色部が幅広い。
■特徴
多種とは逆で、つがい形成後に縄張りが確保される。
■採餌
昆虫類の他、穀類、雑草の種子を好んで食べる。
■繁殖
繁殖期は3〜7月。平地から低山のマツやスギ林に、約3〜7mの高さの枝に、細根や羽毛、樹皮、綿、枯れ茎などで深い椀型の巣を作る。産座には獣毛、羽毛、細根、綿などを緻密に敷き詰める。灰白色の地に紫褐色などの小班がある長径約1.9cmの卵を、通常3〜5個産卵する。雌だけが抱卵し、抱卵日数は12〜15日間。巣立ちまでの日数は12〜17日。
■鳴き声
さえずりは「キロコロロ」と鈴を鳴らしたような声や、「ビュィーン」等。地鳴きは「チュィーン」「キリキリコロコロ」など。
■亜種
日本には3亜種があり、九州以北で繁殖する亜種カワラヒワ(C.s.minor)、小笠原諸島に留鳥として分布する亜種オガサワラカワラヒワ(C.s.kittlizi)、冬鳥として全国に渡来する亜種オオカワラヒワ(C.s.kawarahiba)。
■備考
従来稲の害虫としてスズメが知られていたが、近年スズメよりカワラヒワの被害が多いことが判明したという。
■分布
アジア北東部で繁殖し、日本でも九州以北で普通に繁殖する。積雪地帯のものは冬期暖地へ移動する。福岡では留鳥。
■福岡での事例
福岡では留鳥で、海岸から市街地、山間部と幅広く見ることが出来る。
【室見川】下流から上流までの田圃、市街地など。
【今津】田尻の農耕地。
【和白】海岸の林、住宅地。
【大濠公園】園内の林、住宅地。
【油山】自然観察の森

【2】2002.7.14今津田尻農耕地にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。

【3】幼鳥。2005.5.10南公園にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990 。

【4】メス。2002.12.10室見川河口マリナタウンにて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。

【5】亜種オオカワラヒワと思われる個体。2003.3.27室見川室住団地横にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【6】亜種オオカワラヒワ、オスと思われる個体。2003.3.27室見川室住団地横にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】亜種オオカワラヒワ、メスと思われる個体。2003.3.27室見川室住団地横にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
 2009.11.17改