イエスズメ(家雀）
Passer domesticus　House Sparrow

ヨーロッパ等では人家近くにすむ、スズメ類。

■形態

雄夏羽は額から後頭部が灰色で、目の後ろから、後頸と肩羽は栗色。背と肩羽には黒い縦斑がある。目の周囲、眼先、喉は黒い。目の後方に小さな白斑があり、耳羽と頬は白い。背からの上面は栗色で黒い縦斑がある。中雨覆の羽先は白く、大雨覆や黒い風切の羽縁は淡色。腰は灰色味があり、尾は黒褐色。胸には喉から続く大きな黒斑があり、その他の下面は汚白色。嘴は太く黒く、足は肉色。
冬羽では全体が淡色になり、喉から胸の黒斑が小さくなり、嘴は黄色味を帯びる。
雌は頭部全体から後頸は淡い灰褐色で、目の後方に淡黄褐色の眉斑がある。背からの上面は雄に比べて淡色で喉から胸にかけての黒色部はなく、下面は淡灰褐色。下尾筒は白っぽい。嘴は淡黄褐色。

■亜種

12亜種に分類される。日本に渡来したのはヨーロッパから北シベリアで繁殖する亜種イエスズメ(P.d.domesticus)。

■分布

ヨーロッパ、中央アジア、中東、インド、北、オーストラリア西部、北米、中央アメリカ、南米西部・東南部に広く分布する。日本ではきわめてまれな迷鳥として1990年8月に北海道利尻島で初めて観察され、利尻島、積丹町でスズメと交雑して繁殖した。その後舳倉島、見島で観察され、熊本県でも3羽が観察された。

■福岡での事例

福岡では観察例がない。