スズメ目ヒバリ科コウテンシ属
order PASSERIFORMES Family ALAUDIDAE CALANDRELLA

ヒメコウテンシ(姫告天子)Calandrella brachydactyla Greater Short-toed Lark

L14cm
少ない旅鳥又は冬鳥
草地・農耕地・海岸
【1】2014.03.26大分県大分市、佐賀関にて撮影。
三列風切が長い、小型のヒバリ類。
■形態
雌雄同色。頭部から背は灰褐色で黒褐色の縦班があり、頭頂の短い冠羽は茶色味がある。翼は肩羽、雨覆、三列風切は黒褐色の軸班が大きく、灰褐色の羽縁があり、飛翔時雨覆に灰褐色の帯となる。次列、初列風切は黒褐色で、三列風切が長い為、翼を閉じると隠れる。腰から上尾筒は灰褐色で、尾羽は中央が灰褐色で、他は黒く、最外側は白い。嘴は赤みのある黄白色で、太く、やや長い。顔は白っぽく、頬は灰褐色。虹彩は黒く。口角は目先の下まで伸びる。喉からの下面は淡褐色で胸の両脇に黒斑があるが、大きさは個体差が大きい。最外側を除いて尾羽の裏は黒い
■鳴き声
「ジュン ジュン」「チュン チュン」と鳴く。非繁殖期は小群でいる事が多い。水浴びはせず砂浴びをする。
■採餌
雑食性で、地上で昆虫類を捕食し、草の実を採餌する。
■繁殖
地上の草の根元等に、枯れ草や茎、根等を使って、浅い椀状の巣を作り、獣毛や羽毛を敷く。通常3〜5個産卵し、雌雄で抱卵し、抱卵日数は約16。
■鳴き声
「ジュン ジュン」「チュン チュン」と鳴く。
■亜種
8亜種あり、ヨーロッパ南部及び地中海の島嶼、アフリカ北西部?に分布する亜種C.b.brachydactyla、ハンガリー及びセルビア北部に分布する亜種C.b.hungarica、アフリカ北部に分布する亜種C.b.rubiginosa、トルコ南部及びシリアからエジプト北東部tに分布する亜種C.b.hermonensis、トルコ南部及びシリア北西部s Turkey and nw Syriaに分布する亜種C.b.woltersi、トルコ中央部とトランスコーカシアからイラン北西部に分布する亜種C.b.artemisiana、ウクライナ及びロシア南部からシベリア南中央部及びモンゴル南部に分布する亜種ヒメコウテンシ(C.b.longipennis)、シベリア中央部、モンゴル北部及び中国北部に分布する亜種C.b.orientalis
■分布
ヨーロッパ南部からトルコ、中央アジア、モンゴル、中国北部アフリカ北西部で繁殖し、北のものはインド北西部やパキスタン、アラビア半島、アフリカ中央部に渡る。
日本には亜種ヒメコウテンシ(C.b.longipennis)が数の少ない旅鳥又は冬鳥として、北海道から沖縄与那国まで記録がある。
■福岡での事例
福岡でも記録がある。

【2】2014.03.26大分県大分市、佐賀関にて撮影。

【3】2翼後縁に白帯はない。2014.03.26大分県大分市、佐賀関にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2020.01.02