スズメ目カラス科ハシブトガラス属
order PASSERIFORMES Family CORVIDAE CORVUS

ハシブトガラス(嘴太烏)Corvus macrorhynchos Large-billed Crow

L57cm W105cm
留鳥
市街地・農耕地
【1】亜種ハシブトガラス。2002.6.29北海道根室市落石にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。
市街地で多く見られる全身黒色のカラス類。
■形態
雌雄同色雌雄同色。全身黒く紫色や青い光沢がある。嘴は太く、上嘴先端は大きく湾曲する。額は出っ張っていて、嘴基部との間に段差があり、ハシボソガラスとの大きな相違点になっている。
■特徴
ハシボソガラスと混住するが、開けた農耕地などでは少なく、山地や、都市部、住宅街で多い。
■採餌
雑食性で、動物の死骸や、鳥の卵や雛、弱った鳥獣、木の実などを食べる。市街地では人間が出すゴミなどをあさる。食物を蓄える習性がある。
■繁殖
産卵期は3〜6月。つがいで縄張りを持ち、高い木の梢などに木の枝で椀型の大きな巣を作る。通常3〜5個産卵し、抱卵日数は19〜20日。巣立ちまでは30〜35日。巣立ち後も長く家族群で生活し、非繁殖期は数羽〜数十羽単位で集団行動し、竹藪などに集団塒を持つ。
■鳴き声
「カァーカァーカァー」「アーアーアー」等ハシボソガラスより澄んだ声で鳴くほか、「ガァーガァー」と濁った声でもなく。「アハハ、アハハ」「カポンカポン」等と鳴く事も。鳴く時に頭を上に向け、嘴を突き出して鳴く。
■亜種
日本には4亜種が分布する。特に与那国島を除く八重山諸島には、ハシボソガラスに似た、かなり小さく、上嘴先端の湾曲も大きくない亜種オサハシブトガラス(C.m.osai)が分布する。奄美列島・沖縄諸島には亜種リュウキュウハシブトガラス(C.m.connectens)、対馬には亜種チョウセンハシブトガラス(C.m.mandshuricus)、その他には亜種ハシブトガラス(C.m.japonensis)が分布。
■分布
ウスリーから東南アジアにかけて繁殖する。日本では小笠原を除く全国に留鳥として分布。
■福岡での観察事例
福岡でも留鳥で都心や山地で一年中見られる。
【室見川】公園、市街地。
【今津】周辺一帯。
【和白】周辺一帯。
【大濠公園】周辺一帯。
【油山】周辺一帯。

【2】鳴く姿勢。亜種ハシブトガラス。2003.7.16北九州市平尾台にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4300。

【3】亜種オサハシブトガラス。2002.3.29沖縄県石垣市にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】亜種リュウキュウハシブトガラス。2003.7.19鹿児島県奄美大島にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4300。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2009.4.11