スズメ目エナガ科エナガ属
order PASSERIFORMES Family AEGITHALIDAE AEGITHALOS

エナガ(柄長)Aegithalos caudatus Long-tailed Tit

L13cm W16cm
留鳥
平地〜山地の林
【1】亜種キュウシュウエナガ。2013.2.21熊本県九重町にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED。
丸っこい体に、長い尾と短い嘴が特徴の白っぽい小鳥。
■形態
雌雄同色。額から頭頂は白く、黒い眉斑が背まで伸びていて、背の両側に赤紫の斑がある。肩羽、翼、尾は黒く、次列・三列風切外縁と外側尾羽の外縁は白い。顔、喉から下は白く、脇、腹から下尾筒にかけては淡い赤紫色。嘴は短く黒い。足も黒。
幼鳥は成鳥の黒色部が黒褐色で、顔も黒褐色。喉から下には淡い赤紫色はなく白い。
亜種シマエナガは黒い眉斑がなく、頭部全体が白っぽい。
■特徴
繁殖期以外は10羽前後の群で行動し、カラ類、メジロ、コゲラなどと混群を作り、林の中を枝から枝へ移っていく。林から出ることは少ない。
■採餌
枝先を移動しながら昆虫類を捕ったり、停翔して樹液を吸ったりする。
■繁殖
産卵期は4〜6月。木の枝に蘚類をクモの糸でかがって袋状の巣を作り、表面にウメノキゴケを貼り付け、内側には羽毛を敷く。通常7〜13個産卵し、抱卵日数は13〜15日。巣立ちまでは14〜17日。
つがい以外の個体がヘルパーとして、抱卵や育雛に参加する事もある。
■鳴き声
囀りは「チーチーツリリジュリリ」等複雑で細い。地鳴きは「チュリリリ」「ジュリリリ」。
■亜種
日本では4亜種が分布し、北海道には亜種シマエナガ(A.c.japonicus)、対馬には亜種チョウセンエナガ(A.c.magnus)、四国・九州には亜種キュウシュウエナガ(A.c.kiusiuensis)、本州・佐渡・隠岐には亜種エナガ(A.c.trivirgatus)が分布する。
■分布
ユーラシア大陸の温帯から熱帯で広く繁殖する。日本では留鳥として九州以北に分布。
■福岡の事例
福岡でも留鳥で一年中見られる。
【室見川】中上流の山地で観察。
【大濠公園】園内の林で観察。

【2】額から頭頂は白い。亜種キュウシュウエナガ。2011.2.11福岡県大任町にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

【3】亜種キュウシュウエナガ。2004.10.27前原市高須神社にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4300。

【4】亜種キュウシュウエナガ。2010.10.7糸島市高祖神社にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

【5】次列・三列風切外縁と外側尾羽の外縁は白い。亜種キュウシュウエナガ。2011.2.11福岡県大任町にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-17EII。

【6】亜種キュウシュウエナガ。2003.1.22室見川石釜にて。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】風切は黒褐色。亜種キュウシュウエナガ。2013.2.21熊本県九重町にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED。

【8】亜種キュウシュウエナガ。幼鳥。2001.5.9小戸公園にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【9】亜種シマエナガ。2001.6.21北海道苫小牧市ウトナイサンクチュアリにて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2013.02.21