スズメ目アトリ科アトリ属
order PASSERIFORMES Family FRINGILLIDAE URAGUS

ベニマシコ(紅猿子)Uragus sibiricus Long-tailed Rosefinch

L15cm W21cm
夏鳥又は冬鳥
平地から山地の草地、林縁、葦原
【1】オス夏羽。2005.6.27北海道紋別市にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。
ピッポと鳴く、長い尾をした赤い綺麗なアトリ類。
■形態
雄夏羽は全体が紅色で、頭上、耳羽、喉は白く、頭上と背には黒褐色の縦斑がある。翼は黒褐色で、大雨覆、中雨覆の先端に白斑があり、2本の白い翼帯となって見える。上尾筒は紅色。尾は長く黒く、外側尾羽2〜3枚に大きな白斑がある。下腹から下尾筒は白い。嘴は太く短く湾曲し、薄い灰色。
雌夏羽は全体が淡い黄褐色で頭部から背、喉から胸、脇にかけて黒褐色の縦斑がある。
冬羽では雌雄とも夏羽より淡色になり、雄は頭部から顔、背まで褐色味を帯びる。
■特徴
暗い林の中には入らず、また、広い草原にも出ない傾向がある。
■採餌
枝から枝へ飛び移ったり、地上を跳ね歩いたりして昆虫類を探す。越冬期は地上で草の実を拾って食べる。
■繁殖
産卵期は5〜7月。平地の雑木林や、疎林のある草原などで、低木の0,8〜2m程の高さの枝の上に、枯れ草、細根などで深い椀型の巣を作る。産座には獣毛、綿、枯草の繊維、羽毛などを緻密に敷き詰める。コバルト色の地に褐色の少量の斑のある、長径約1.9cmの卵を、通常3〜5個産卵する。
■鳴き声
囀りは「フィー、チリチィチョッ、チイチョ」等で、地鳴きは「ピッポ」等。
■亜種
日本に分布するのは亜種ベニマシコ(U.s.sanguinolentus)。
■分布
中央シベリア南部、モンゴル北部、中国東北部、中国中部、朝鮮半島、ウスリー、サハリンに分布する。日本では北海道と東北北部で夏鳥として繁殖し、本州、四国、九州に冬鳥として渡来する。北海道では少数が越冬する。
■福岡での事例
福岡では冬鳥なので、10〜4月頃少数が見られる。
【室見川】上流曲淵で観察。

【2】オス夏羽。2001.6.22北海道苫小牧市植苗にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】オス冬羽。2011.2.1福岡県大野城市にて撮影。Swarovski ATM 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX P6000。

【4】オス冬羽から夏羽に換羽中。2003.3.14室見川曲淵にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】オス冬羽。4と同一個体。外側尾羽の白斑が目立つ。2003.3.14室見川曲淵にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【6】メス夏羽。2005.6.27北海道紋別市にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【7】メス。2005.2.3福岡県大野城市にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2011.2.17改