スズメ目モズ科モズ属
order PASSERIFORMES Family LANIIDAE LANIUS

アカモズ(赤百舌)
Lanius cristatus Brown Shrike

L18〜20cm W27cm
夏鳥
林縁・木のある草原
【1】亜種アカモズ。眉斑が狭いのでオスと思われる。2003.6.15北海道厚田村にて撮影。
赤茶色の背と白い腹のコントラストが綺麗なモズ類。
■形態
亜種アカモズの雄は、頭頂から背、肩羽、腰、尾までが赤茶色で、黒い過眼線があり、額から眉斑と過眼線から体下面は白い。嘴は黒く、虹彩も黒い。翼は黒褐色で、雨覆や、次列、三列風切の羽縁は淡橙色。胸から脇にかけて淡橙色。足は黒い。
雌は全体的に淡く、額から眉斑の白色部がやや広い。腹から脇にかけて褐色の波模様がある。
亜種シマアカモズの雄は、頭頂からの上面が灰褐色で、額から眉斑の白色部が淡褐色で不明瞭。下面は一様に淡橙色。
雌は腹から脇にかけて褐色の波模様がある。
■特徴
体を縦にして止まり、尾を円を描くように良く廻す。
■採餌
木の枝や杭などに止まり、昆虫、カエル、トカゲ、小鳥などの餌を探す。モズに比べ、飛んでいる昆虫や、葉の上の昆虫を捕らえる事が多い。
■繁殖
繁殖期はつがいで縄張りを持ち、産卵期は5〜6月。低木の茂みや、カラマツ、アカマツなどの高さ1〜3mの枝に、木の根、皮、葉、ビニール、布きれなどで椀型の巣を作る。産座には細根などの糸状のものを敷き詰める。青緑白色の地に斑点がある長径2.3cn程の卵を、通常4〜7個産卵する。雌だけで抱卵し、抱卵日数は約14〜15日。巣立ちまでは焼く14日。
■鳴き声
「ギチギチギチ」「ジュンジュンジュン」と濁った声でさえずる。モズのように「キィー」と鋭く長く伸ばす声は出さない。
■亜種
日本では亜種アカモズ(L.c.superciliosus)が本州中部以北で夏鳥として繁殖し、亜種シマアカモズ(L.c.lucionensis)は九州南部以南で旅鳥または冬鳥。
■分布
ロシア北東部、中国東部、朝鮮半島等で繁殖しインド、東南アジア、フィリピン、ニューギニア西部で越冬する。日本では亜種アカモズが北海道、本州、四国で夏鳥として繁殖し、他では旅鳥。亜種シマアカモズは九州南部や南西諸島で旅鳥または冬鳥で、熊本と鹿児島で繁殖例がある。
■福岡での事例
福岡では亜種アカモズが旅鳥で春、秋に通過する。
【今津】田尻農耕地で秋に観察。

【2】亜種アカモズ。メス。2003.6.15北海道厚田村にて撮影。

【3】亜種アカモズ。幼羽。2002.12.14沖縄県竹富町にて撮影。

【4】亜種シマアカモズ。オス。嘴が肉色なので若鳥と思われる。2002.12.14沖縄県竹富町にて撮影。

【5】亜種シマアカモズ。オス。嘴が肉色なので若鳥と思われる。2008.2.12鹿児島県出水市にて撮影。

【6】亜種シマアカモズ。メス。嘴が肉色なので若鳥と思われる。2002.12.14沖縄県竹富町にて撮影。

【7】亜種シマアカモズ。若鳥?。2002.3.29沖縄県石垣市にて撮影。

【8】亜種シマアカモズ。メス。2002.3.29沖縄県石垣市にて撮影。。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2010.9.12改