ペリカン目サギ科ゴイサギ属
order PELECANIFORMES Family ARDEIDAE NYCTICORAX

ゴイサギ(五位鷺) 
Nycticorax nycticorax Black-crowned Night Heron

L58〜65cm W105〜112cm
留鳥
河川・水田
【1】夏羽。2004.6.9室見川金武井堰にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。
夕方鳴きながら餌場へ向かう事から「ヨガラス」との別名のある夜行性のサギ類。
■形態
雌雄同色。夏羽では頭頂から後頸、背、肩羽は暗い紺色で、翼と腰から尾は灰色。後頭に白くて長い冠羽が2本ある。額、頬、喉から下は白く、眼先は青灰色。嘴は黒く、虹彩は赤い。足は黄色。
繁殖期には目先が濃くなり、脚は鮮紅色になる。
冬羽では目先は黄色。
幼鳥は一般に「ホシゴイ」と呼ばれ、頭部からの上面は茶褐色で、白い斑が散在し、尾羽は茶褐色。喉からの下面は白く、茶褐色の縦斑がある。嘴は暗色で、下嘴は緑黄色。続く眼先の裸出部jは緑黄色で、虹彩は黄橙色。成長に従い虹彩は赤くなる。
■特徴
夜行性で、昼間は樹上等で休んでいる事が多いが、雨や曇天時は昼間でも活動する。
■採餌
待ち伏せして、獲物を見つけると、普段は折り畳んでいる頚を瞬時に伸ばして、補食する。主に魚を食べるが、カエル、甲殻類も食す。繁殖期は昼間でも採餌する。
■繁殖
繁殖期は4〜8月。雑木林、竹林、松林等に集団で繁殖し、他種のサギと混合コロニーになる事が多い。木の枝の上に、木の枝等を粗雑に積み上げて皿上の巣を作り、通常3〜6個産卵する。抱卵日数は約21日で、巣立ち迄は約28日。
■鳴き声
夕方「グァッ グァッ」と鳴きながら良く飛ぶ、「ヨガラス」の異名もある。
■備考
「大鏡」にゴイサギが醍醐天皇の勅命に従った事から「従五位」を授けたとの故事があり、それが和名の由縁だとされる。
■亜種
日本に分布するのは亜種ゴイサギ(N.n.nycticorax)。
■分布
ユーラシア、アフリカ、南北アメリカ大陸の温帯から熱帯で広く繁殖し、冬季北方のものは暖地へ渡る。日本では本州以南に留鳥として繁殖し、東北以北では夏鳥として渡来する。
■福岡での事例
福岡では留鳥で一年中見られる。
【室見川】新室見橋から曲淵ダムまでの流域で観察。
【今津】田尻の農耕地、葦原、クリークなどで観察。
【大濠公園】野鳥の森で観察。

【2】夏羽。婚姻色で脚が赤くなっている。2001.5.8室見川立花堰にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990

【3】冬羽。嘴に黄色い部分がある。2003.1.12福岡県那珂川町にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990

【4】雛。2005.6.15室見川愛宕にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4300。

【5】幼鳥の通称「ホシゴイ」。幼羽。目先は黄色く、虹彩も黄色い。2002.7.7室見川松風橋にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4500。

【4】第1回冬羽。目先が青みを帯び、虹彩が赤みを増している。白班がない羽が生えて来ている。2001.2.8大濠公園橋にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】第1回夏羽。頭部から背が紺色の羽に換羽している。2003.6.6室見川矢倉橋にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4300。

【6】第1回夏羽。5の個体より換羽進んでいる。2005.7.22今津太郎丸にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【7】第2回冬羽だと思われる。2002.12.14沖縄県西表島にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2007.11.6改