カツオドリ目グンカンドリ科グンカンドリ属
order SULIFORMES Family FREGATIDAE FREGATA

コグンカンドリドリ(小軍艦鳥)
Fregata ariel Lesser Frigatebird

L70〜80cm W175〜195cm
迷鳥
海洋
【1】幼鳥。2019.08.22米国グアム準州ココス島にて撮影。
翼裏に白色部が食い込むグンカンドリの仲間。
■形態
雄は全身が光沢のある黒で、翼は非常に長く、先が尖っており、尾は燕尾型で長い。喉袋は赤く、腹から脇に白色班がある。灰白色の嘴は長くて、先端が鍵状にまがっている。足は淡赤色で短い。
雌は淡赤色のアイリングがあり、前頸から胸は白く両脇から翼まで白色部が食い込む。
幼羽の頭部は淡褐色で、亜成鳥になるに従い摩耗で白くなる。背からの上面は黒褐色で、中雨覆は褐色。側胸から黒褐色部細が伸びて仕切られ、腹は白い。腹部の白色部は内側下雨覆の2〜4列目まで伸びる。
■鳴き声
繁殖地では「ギギギギ…」と言う鳴き声で鳴く。
■採餌
水面すれすれを飛び、魚類やイカなどを長い嘴で掬い上げていく捕食する。また、他のカツオドリやミズナギドリなどを追い回して、飲み込んでいる餌を吐き出せて奪う。
■繁殖
島嶼の低木の生えている場所にコローニーを作り繁殖する。樹上に小枝を組んで造巣して、通常1個産卵する。抱卵期間は45〜55日。巣立ちまで約半年。繁殖に伴って雄は、風船のように赤い喉袋を膨らませて、雌にディスプレーする。
■特徴
グンカンドリ類は体重に対する翼面積の比が全鳥類中最大で、飛翔に最高に適した体になっている。
羽毛に油分が少なく、防水性がない為、水面に浮くことも、泳ぐこともできず、落水すると溺死する。
■亜種
国際鳥類学会議(IOC)リストでは3亜種あり、日本で見られるのは西インド洋から中部太平洋にかけて分布する亜種コグンカンドリドリ(F.a.ariel)。
■備考
従来の分類ではグンカンドリ科はペリカン目であったが、2012年度発行日本鳥類目録改訂7版よりペリカン科、ネッタイチョウ科以外はカツオドリ目として分離した。
■分布
大平洋、インド洋の熱帯及び亜熱帯、大西洋のトリニダード諸島に分布。日本には迷鳥として北海道から九州の大平洋岸、佐渡、見島、五島、伊豆諸島、小笠原諸島、硫黄列島、南鳥島、奄美諸島、琉球諸島などに飛来する。
■福岡での事例
福岡でも迷鳥として記録がある。

【2】1と同一個体。幼鳥。2019.08.22米国グアム準州ココス島にて撮影。

【3】1と同一個体。幼鳥。2019.08.22米国グアム準州ココス島にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2019.08.24