ペリカン目ウ科ウ属
order SULIFORMES Family PHALACROCORACIDAE PHALACROCORAX

カワウ(川鵜)Phalacrocorax carbo Great Cormorant

L80〜101cm W130〜160cm
留鳥
内湾・湖沼・河川
【1】繁殖羽。2006.3.15今津浜崎漁港にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。
鵜飼で使用されることの多いウの仲間。
■形態
雌雄同色。全身が褐色がかった光沢のある黒で、頬から喉は白い。嘴は黄色味を帯び、嘴上面は黒っぽい。目の下の黄色い裸出部があり、口角付近は丸みを帯びている。
繁殖期には嘴と裸出部は黒っぽくなり、頭部と、腿部には白い生殖羽がはえ、足の付け根に大きな白斑があらわれる。
幼鳥は全身が黒褐色で、胸や腹が白っぽい。
■特徴
休憩時は両翼を広げる。また外海などに出ることは少ない。
よく似たウミウは緑色がかった光沢のある黒で、目の下の黄色い裸出部が三角形に尖っていること等で判断できるが、至近距離でないと難しい。またカワウは、尾がウミウより長いので、飛翔時翼が体の中央に付いているように見える。
■採餌
潜水して魚などを獲る。
■繁殖
内湾や湖沼近くの林に集団で営巣する。木の枝や枯れ草などで樹上に皿形の巣を作るが、古巣も修理して利用される。繁殖期は長く、11月〜6月に、通常3〜4個産卵する。抱卵日数は25〜28日、巣立ちまでは30〜45日程度。
■鳴き声
繁殖期は「グルル、グルル」「グワー、グワー」等と鳴くが、繁殖期以外は殆ど鳴かない。
■亜種
日本に分布するのは亜種カワウ(P.c.hanedae)。
■備考
1980年代には繁殖地が減り、絶滅が心配されたが、その後新たな繁殖地が増えて、数は増加している。その為に新たに糞による樹木の枯死、養魚場の被害などの問題が出てきている。
■分布及び観察できる時期
ユーラシア、アフリカ、オーストラリア、北米東海岸に分布する。日本では本州中部から九州北部で局地的に繁殖し留鳥、本州北部では夏鳥、九州南部では冬鳥。
■福岡での観察例
福岡では繁殖が確認されておらず冬鳥。
【室見川】室見橋より下流で見られる。
【今津】干潟や周辺の池。
【大濠公園】園内の鴨島。

【2】婚姻色の出た成鳥。2001.2.25今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】嘴が少し黒くなってきている。2004.12.25室見川愛宕浜にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】2002.10.17今津三角池にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】2002.10.17今津三角池にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2015.10.01改