コクガン(黒雁）Branta bernicla　Brent Goose

他のガン類と違い、海で見られる事が多い小形のガン類

■形態

雌雄同色。成鳥は頭部からの上面が褐色味のある黒で、上頸の周囲に、黒い模様のある白い帯状の斑がある。上尾筒から尾は白く、尾の外側は黒い。飛ぶと上尾筒の白が目立つ。胸から腹は褐色味のある黒で、脇に太く白い横斑がある。下腹部と下尾筒は白い。嘴は黒く、足も黒い。

若鳥は全体に淡色で、頚の白い白い帯状斑も細い。

幼鳥は雨覆等の羽縁が白っぽく、頚の白い白い帯状斑がない個体もいる。

■特徴

淡水域で塩分を落とすために水浴びをする。夜も海上で過ごす。

■採餌

岩礁でアマモやマコモ等の海草、アオサやイワノリ等の海藻を食べる。

■繁殖

ツンドラの地上に営巣する。通常5〜6個産卵する。

■鳴き声

「グルルグルルグルル」と低い声で鳴き交わす。

■亜種

日本に渡来するのは亜種コクガン(B.b.orientalis)。

■分布

ユーラシアと北米大陸、グリーンランドなどの北極圏で繁殖し、西ヨーロッパ、中国の渤海湾、アリュ−シャン列島、北米沿岸部。日本では冬鳥として主に北海道東部、南部、東北地方北部に渡来するが、他の地域でも記録がある。

■福岡での事例

福岡ではまれな冬鳥。

【今津】瑞梅寺川河口及び浜崎漁港外側で観察できた。

【福浜沖鵜来島】島の周囲で観察されている。

【和白】和白川河口などで観察されている。