カモ目カモ科アイサ属
order ANSERIFORMES Family ANATIDAE MERGUS

カワアイサ(川秋沙)Mergus merganser Goosander

L58〜72m W86〜102cm
留鳥又は冬鳥
湖沼・河川・内湾
【1】雄。肩羽に少し灰色のエクリプス羽が残っている。2008.12.12東区御島にて撮影
雄は赤い嘴、緑の頭、白い胸のコントラストがきれいなアイサ類。
■形態
雄は赤い嘴、緑の頭、白い胸のコントラストがきれいなアイサ類。
雄の頭部は緑光沢のある黒で、冠羽はない。頸から体下面は白く、背は黒い。腰から上尾筒は灰白色で尾は灰黒色。翼は雨覆と次列風切が白く、初列風切等は黒い。胸から腹はピンク色味を帯びる。嘴は赤く、先端が鈎状に曲り、黒い。虹彩は褐色。足は赤い。
雌は頭部は茶褐色で、後頭に冠羽があり、腮と喉は白い。胸は白く、茶褐色の頭部との境は明瞭。背から腰、尾まで灰色。翼は雨覆が灰色で、次列風切は白く、初列風切は黒い。腹から下はピンク色味を帯びる。
雄エクリプスは雌に似るが、翼のパターンは生殖羽と同じで雨覆は白い。
雌雄ともにウミアイサに似るが、全体的に大きい。
■特徴
水面を飛び立つ時は、長い助走が必要で、水面すれすれを真っ直ぐ飛ぶ。
■採餌
潜水して魚類等を食す。
■繁殖
湖沼や河川周辺の草むら、岩の隙間、樹洞に自分の羽を敷いて営巣する。通常7〜14個産卵する。産卵期は4〜6月。抱卵日数は32〜35日程度。
■鳴き声
鳴くことは少なく、ディスプレー時に雄は「アーアーアー、ピーフォー」、雌は「クゲゲゲ」と鳴く。
■亜種
日本で繁殖、渡来するのは亜種カワアイサ(M.m.comatus)で、亜種オオカワアイサ(M.m.merganser)の記録もある。
■分布
ユーラシア大陸と北米の温帯から亜寒帯で広く繁殖する。日本へは冬鳥として渡来するが、北海道では留鳥として繁殖する。
■福岡での事例
福岡では冬鳥だが、数は少ない。
【室見川】立花堰、小田部小学校横等で観察。
【今津】瑞梅寺川河口。
【和白】海上。

【2】雄。エクリプスから換羽中だった4の個体。2002.1.29室見川河原橋にて撮影

【3】雄。1と同一個体。肩羽に少し灰色のエクリプス羽が残っている。次列風切、雨覆が白い。2008.12.12東区御島にて撮影。

【4】雄エクリプスから換羽中。2と同一個体。2002.1.5室見川立花堰にて撮影。

【5】雄。1と同一個体。2008.12.12東区御島にて撮影。

【6】雌。目先に白いところはない。2014.04.24長崎市八郎川にて撮影。

【7】雌。8と同一個体。雄と違い次列風切だけが白い。2005.12.5室見川小田部小学校横にて撮影。

【8】目先がまだ少し白いので、雌若鳥と思われる。2005.12.5室見川小田部小学校横にて撮影。

【9】目先が白いため、雌若鳥と思われる。2017.11.03室見川新室見橋下流にて撮影。

【10】飛翔。2017.11.03室見川新室見橋下流にて撮影。

【11】雌(右端)と幼鳥の群。2002.6.30北海道風蓮湖にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2017.11.06改