カモ目カモ科マガモ属
order ANSERIFORMES Family ANATIDA ANAS

ハシビロガモ(嘴広鴨)Anas clypeata Northerin Shoveler

L43〜56cm W70〜85cm
冬鳥
河川・湖沼・干潟
【1】オス。2005.12.20今津二つ池にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。
雌雄とも大きくて幅広い嘴を持つ大型の淡水カモ。
■形態
雄は頭部が光沢ある暗緑色で、眼先から頬は黒味がある。肩羽は長く、光沢のある緑色で軸斑は白い。翼は大雨覆は白く、中・小雨覆は青灰色で、その他は黒褐色。翼鏡は緑。腰から上尾筒は黒く、尾は白い。頸から胸は白く、脇と腹は栗色で、下腹の脇は白い。下尾筒は黒い。嘴は黒く、足は橙色。虹彩は黄色。
雌は全身褐色で、黒褐色の斑がある。雨覆は灰色。嘴はオレンジ色で、黒みを帯びたものも多い。虹彩は褐色。
雄エクリプスは雌に似るが、虹彩は黄色く、雨覆は青灰色。また、ハシビロガモの雄はエクリプスの後、頭部と体羽の一部を換羽して、繁殖羽になりかけのような羽衣のサブ・エクリプス段階がある。
■採餌
特長ある嘴には合わせ目には薄い板がついていて、水をすくっては、プランクトンや草の実などの餌を漉して食べる。集団で水面に円を描いて泳ぎながら餌を捕る事がある。
■繁殖
産卵期は4〜6月。水辺近くの乾いた草地の地上に営巣する。通常8〜12個産卵し、抱卵日数は23〜25日。
■鳴き声
ほとんど鳴かない。雄は「クヮックヮッ」と低い声で鳴き、雌は「グェーグェッ」と低く濁った声で鳴く。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸北部、北米北部で繁殖、ヨーロッパ、北アフリカ、中東、インド、東南アジア、中国南部、挑戦反東南部、北米南部で越冬。日本では少数が北海道で繁殖するが、大部分が冬鳥として全国に渡来。福岡でも冬鳥で10〜4月頃見られる。
■福岡での事例
【室見川】河口で観察されたことがある。
【今津】瑞梅寺川河口、三角池、二つ池等で観察できる。
【和白】干潟周辺で観察できる。

【2】オス。2005.3.25今津二つ池にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【3】メス。2001.12.20福岡市野多目にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】メス。2008.10.21今津二つ池にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【5】左メス、右オスのエクリプス。2008.10.21今津二つ池にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【6】オス。エクリプス。虹彩が黄色い。2005.12.20今津二つ池にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【7】オス、エクリプスからサブ・エクリプスに換羽中。2004.1.19今津田尻二つ池にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【8】オス、サブ・エクリプス。2005.1.19今津二つ池にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【9】オス、サブ・エクリプスから換羽中。2005.1.19今津二つ池にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【10】オスサブエクリプス飛翔。2010.2.22佐賀県伊万里市にて撮影。Nicon D90+AF-S NIKKOR ED 300mm+TC-20EII。

【11】メス飛翔。2010.2.22佐賀県伊万里市にて撮影。Nicon D90+AF-S NIKKOR ED 300mm+TC-20EII。。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2010.3.15改