ハヤブサ目ハヤブサ科ハヤブサ属
order FALCONIFORMES Family FALCONIDAE FALCO

ハヤブサ(隼)
Falco peregrinus Peregrine Falcon

L♂38〜45cm♀46〜51cm W84〜120cm
留鳥
海岸の崖・河口
【1】オス。2002.1.10今津元岡農耕地にて撮影。
頭から続く黒い髭状の頬斑が特徴的なハヤブサ類。
■形態
雌雄ほぼ同色。頭部から背、尾及び翼は青黒色で、目から頬に髭状の黒斑がある。喉からの下面は白く黒褐色の横斑がある。嘴は黒く、基部は鉛色、蝋膜は黄色。アイリングも黄色で、虹彩は暗褐色。脚は黄色。
雌の方が大きい。
幼鳥は上面が黒褐色で淡褐色の羽縁がある、淡褐色の下面は黒褐色の縦斑がある。アイリングや蝋膜は青灰色。
■採餌
崖の上や、見晴しのいい木などに止り餌になる鳥を見張り、飛んでいる鳥の上空から翼をつぼめて急降下し、脚で蹴落す。
■繁殖
3〜4月に海岸や海岸に近い垂直な崖の岩棚に直接産卵し営巣する。通常3〜4個産卵し、抱卵日数は約30日。巣立ちまでは約40日。
■鳴き声
繁殖期に雄は「キッキッキッ」と鋭く鳴き、雌は「ゲゲゲゲゲ」と濁った声で鳴く。
■亜種
国際鳥類学会(IOC)のリストでは16亜種に分かれている。日本ではシベリアからサハリン、カムチャッカ、日本にかけて分布する亜種ハヤブサ(F.p.japonensis)が繁殖する他、北硫黄島固有の亜種シマハヤブサ(F.p.furuitii)は絶滅したとされる。冬鳥としてアリューシャン列島からアラスカ及び北西カナダに分布する亜種オオハヤブサ(F.p.oealei)、北米からメキシコに分布する亜種アメリカハヤブサ(F.p.anatum)の記録がある。亜種ハヤブサ(F.p.japonensis)のうちシベリアに分布する個体群を亜種シベリアハヤブサ(F.p.harterti)とする説もある。
■分布
ユーラシア大陸の大部分、北米大陸の寒帯から亜寒帯、オーストラリアなど、南極を除く全世界に広く分布する。日本では九州以北で留鳥として繁殖し、冬季には冬鳥として全国に渡来する。
■福岡での事例
福岡では留鳥で1年中見られる。
【室見川】河口から中流農耕地と広い範囲で観察。
【今津】周辺農耕地、宝島で観察。
【和白】干潟周辺で観察。
【相ノ島】断崖で観察。

【2】メス。2001.12.15今津元岡農耕地にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】亜種オオハヤブサと見られる、鬚の太い個体。2001.11.25鹿児島県出水市にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】左がメス、右がオス。2002.1.10今津工場裏にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】2011.10.20北九州市若松区にて撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-20EII。

【6】幼鳥。2011.12.17今津工場裏で撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-20EII。

【7】6と同一個体。2011.11.14今津工場裏で撮影。Nicon D90+AF-S DX NIKKOR 300mm ED+TC-20EII。

【8】第1回夏羽。青灰色の羽が出て来ている。2006.6.1室見川吉武にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【9】8と同じ個体。第1回夏羽。青灰色の羽が出て来ている。2006.6.1室見川吉武にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2018.03.01改