フクロウ目フクロウ科フクロウ属
order PROCELLARIIFORMES Family STRIGIDAE STRIX

フクロウ(梟)
Strix uralensis Ural Owl

L50cm W95〜110cm
留鳥
平地から山地の林
【1】亜種キュウシュウフクロウ。2018.5.23長崎県大村市にて撮影。
「ボロ着て奉公」と鳴き声を聞きなされる大形のフクロウ類。
■形態
雌雄同色。頭部から尾にかけての上面は褐色で、灰白色や淡褐色の斑が点在する。翼は短く、幅は広く、先は丸みを帯びている。尾は長め。羽角はなく、顔はハート型の縁取りがあり、灰褐色で、両目を中心に放射状に黒褐色の細い斑がある。下面は淡褐色で、褐色の縦斑がある。虹彩は暗褐色で、嘴は緑味のある黄色。足は黄色く、足指には羽毛がある。
羽の色は亜種間により違い、北の亜種の方がより白っぽい。
■特徴
昼間はカラス等にモビングされる事が多い。
■採餌
夜間木の枝などに止まり、獲物の立てる音に反応して採餌する。ネズミを主食として、小鳥やイタチなども食べる他、昆虫や小動物も捕らえる。
■繁殖
社寺等の大木の樹洞に営巣するほか、地上や廃屋、カラスやタカ類の古巣にも営巣する。通常1〜5個産卵し、第1卵を産むと抱卵にはいる。その為、雛に生育具合の差が現れる。
■鳴き声
主に夜に鳴く。さえずりは雌雄とも「ホォッホッ、ゴロスケホォッ」と鳴くが、雌は声量が少なく濁る。また、亜種エゾフクロウは「ホォ、ゴロスケホォッ」と「ホ」を1回しか鳴かないということも報告されている。聞きなしは「ボロ着て奉公」。繁殖期に巣の中で雌は「ギャッ」「ジャー」と濁った声で短く鳴く。幼鳥は「キィー」と甲高い声で鳴く。
■亜種
日本では4亜種が分布する。北海道にはもっとも白い、亜種エゾフクロウ(S.u.japonica)、本州北部に亜種フクロウ(S.u.hondoensis)、本州中部に亜種モミヤマフクロウ(S.u.momiyama)、本州南部、四国、九州に亜種キュウシュウフクロウ(S.u.fuscescens)が分布する。
しかし、亜種エゾフクロウをフクロウと別種にする説がある反面、他の亜種の分布や差異も明確ではない。
■分布
ユーラシア大陸のヨーロッパ北部からシベリア東部、中国北部、朝鮮半島にかけて広く留鳥として分布。日本では留鳥として九州以北に分布。
■福岡での事例
福岡では亜種キュウシュウフクロウが見られる。
【室見川】愛宕山で観察され、姪の浜でも鳴き声が聞こえた。

【2】亜種キュウシュウフクロウ。2018.5.23長崎県大村市にて撮影。

【3】亜種キュウシュウフクロウ。2004.5.18福岡県志免町にて撮影。

【4】飛翔。亜種キュウシュウフクロウ。2018.5.22長崎県大村市にて撮影。

【5】亜種エゾフクロウ。2007.2.2北海道静内町にて撮影。

【6】巣立ち雛。亜種キュウシュウフクロウ。2004.5.18福岡県志免町にて撮影。

【7】巣立ち雛。亜種キュウシュウフクロウ。2018.5.22長崎県大村市にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2018.06.04改