チドリ目シギ科クサシギ属
order CHARADRIIFORMES Family SCOLOPACIDAE TRINGA Linnaeus

タカブシギ(鷹斑鴫)
Tringa glareola Wood Sandpiper

L19〜21cm W56〜57cm
旅鳥
水田・湿地・川岸
【1】夏羽。2004.4.24長崎県対馬市にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。
黒い背中に白い斑が目立つ小型のシギ。
■形態
雌雄同色。夏羽は頭部から胸は白地に褐色の縦斑が密にある。過眼線は黒褐色で、目の後方までのびる眉斑は白い。背からの上面は、軸斑が褐色で大きな白斑がある。腹から下は白く、脇にも褐色の斑がある。腰は白い。翼を閉じた時、初列風切先端が尾端と同じ位置にくる。長い嘴は黒く、基部は緑黄。脚は長く、緑がかった黄色。
冬羽では頭部から胸の縦斑が薄くなり、白い眉斑が明瞭になる。背からの上面の白斑も小さくなり、羽縁のみが白くなる。
幼羽は冬羽に似るが、背からの上面は夏羽に似て褐色味を帯びた大きな淡色斑がある。三列風切には三角形に淡色斑がでる。
■特徴
内陸湿地でよく見られ、広い干潟などに出ることは少ない。クサシギより開けた場所に出る傾向がある。イソシギと同じように尾を振る。
■採餌
浅い水中を歩き回りながら、水棲昆虫や貝、オタマジャクシなどの小動物を食べる。
■繁殖
針葉樹林に近い湿原の苔の窪みなどに営巣し、通常4個産卵する。クサシギのように樹上の鳥の古巣に営巣した例もある。抱卵日数は22〜23日くらい。雌雄ともにディスプレー飛翔を行う。
■鳴き声
「ピッピッピッ」と鳴きながら飛立つ。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸に亜寒帯から寒帯で広く繁殖し、アフリカ、中東、インド、東南アジア、オーストラリアで越冬する。日本には旅鳥として春と秋に渡来する。本州以南で越冬する個体もいる。
■福岡での事例
福岡では旅鳥で、4〜5月、8〜10月頃見られる。
【室見川】室住団地横で観察。
【今津】田尻の農耕地などで観察。

【2】夏羽。一部磨耗した冬羽が残っている。2002.5.17今津田尻農耕地にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】夏羽。2009.5.18今津元浜にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【4】摩耗した夏羽。2005.8.8今津工場裏にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【5】摩耗した夏羽。2005.8.9今津工場裏にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【6】冬羽へ換羽中。肩羽等に冬羽が出ている。2005.8.9今津工場裏にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【7】冬羽。2003.9.17今津田尻農耕地にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【11】磨耗した冬羽。2006.3.14今津田尻にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【8】幼羽。2005.8.8今津工場裏にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+turobo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【9】幼羽。2009.9.4今津太郎丸にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【10】第1回冬羽。三列風切は三角形の白斑から幼羽だと思われる。2005.10.15今津田尻にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2009.5.18改