チドリ目チドリ科タゲリ属
order CHARADRIIFORMES Family CHARADRIIDAE VANELLUS Brisson

タゲリ(田鳧)
Vanellus vanellus Northern Lapwing

L28〜31cm W82〜87cm
冬鳥
水田・草地・川岸

【1】夏羽オス。2005.5.1今津太郎丸にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。
後頭部の黒くて長い冠羽と緑色の金属光沢のある大型のチドリ。
■形態
雌雄ほぼ同色。雄夏羽は額から頭頂が黒く、黒い長い冠羽がある。顔は白く、目の上下に黒い模様があり、喉から胸が黒い。翼および背からの上面は、金属光沢があり紫色や緑色に見える。初列風切先端部は白い。翼下面は雨覆が白く、風切が黒色でコントラストが明瞭。腰は栗色で、尾羽は白く先端が幅広く黒い。腹から下は白く、下尾筒は橙色。嘴は黒く、足は赤黒い。
冬羽では喉の黒色部はなくなり、顔から後頸部が褐色味を帯びる。
雌は雄に比べて頭部や顔、胸の黒色部が褐色味を帯び、冠羽も短い。
第1回冬羽では、雌に似るが、上面の淡色の羽縁が顕著で、胸の黒色部にも白い羽縁がある。
■採餌
主に地上で動物質の餌を食べる。畑地なのではで昆虫や、ミミズ等を、干潟ではゴカイなどを食べる。草の実なども食べることもある。
■繁殖
番で縄張りを持ち、疎らに丈の短い草の生えた草地に、地面を浅く掘り窪ませて営巣する。コロニー状に集まることもある。産卵期は3〜5月で、通常4個産卵する。抱卵は25〜28日。孵化した雛は通常半日で巣を離れ、25〜40日程度で独立する。
■鳴き声
飛ぶときには「ミュー」とという特徴のある声を出す。繁殖期は「クィックウィー」「プィウィー」等と大きな声で鳴く。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯で広く繁殖する。日本では北陸や関東北部で繁殖の記録があるが、主に冬鳥として本州以南に渡来。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で、10〜4月くらい。越夏例もある。
【室見川】2003年1月19日矢倉橋下流で一度観察した。
【今津】瑞梅寺川河口の干潟、周辺農耕地で観察。

【2】夏羽オス。2011.3.31今津田尻農耕地にて撮影。Swarovski ATM 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX P6000。

【3】冬羽オス。2004.2.13今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】夏羽メス。2004.3.19佐賀県川副町にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】冬羽メス。越夏個体。2001.8.25今津太郎丸にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【6】冬羽メス。2001.10.06今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】第1回冬羽。2005.1.2今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【8】第1回冬羽。2004.11.20今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【9】第1回冬羽。2002.10.27今津周船寺川水門にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【10】腰は栗色で、尾羽は白で先端が幅広く黒い。2001.11.23今津田尻にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2011.9.6改