セイタカシギ(背高鴫）
Himantopus himantpus　Black-winged Stilt

ピンク色の細くて長い脚を持ったスマートなシギ類。

■形態

雌雄ほぼ同色。雄夏羽では、頭部から後頸が黒く、背と翼は、緑光沢のある黒で、その他は白い。頭部の黒色部には変異が多い。虹彩は赤く、黒い嘴は細く長い。足は長くピンク色。

雌は頭部の黒色部がないか、あってもわずかで、背と翼は黒褐色。

冬羽では足の色が淡くなり、鮮やかさがなくなる。

幼鳥は頭から背、翼にかけて灰褐色で淡色の羽縁があり、足も淡いピンク色。

第1回冬羽では

亜種オーストラリアセイタカシギは、雄成鳥の頭部が後頭から後頸にかけてだけが黒く、羽が逆立っており、上背が白い。雌は後頭から後頸にかけてや上面に褐色味がある。

■採餌

長い脚で水田や湿地の中を歩きながら、水生昆虫や小魚を補食する。

■亜種

日本で繁殖しているのは亜種セイタカシギ(H.h.himantopus)だが、亜種オーストラリアセイタカシギ（H.h.leucocephalus）も渡来する。雄成鳥は頭部では後頭から後頸にかけてだけが黒く、羽が逆立っており、上背が白い。雌は後頭から後頸にかけてや上面に褐色味がある。

■備考

戦前は5回しか観察されていなかったが、60年代以降東京湾周辺や愛知で繁殖していて一年中見られる。

■分布

ユーラシア中部、アフリカ、インド、トウナンアジア、ニューギニア、オーストラリア、北米中部から南米で繁殖し、北部のものは冬季南に渡る。日本では東京湾周辺、愛知県で繁殖し、留鳥。その他の地方では旅鳥、または冬鳥。

■福岡での事例

福岡では旅鳥で、3月〜5月、8〜10月に見られる。

【室見川】2006年5月に室見大橋上流で2羽観察。

【今津】瑞梅寺川河口干潟及び周辺農耕地で観察。