チドリ目カモメ科カモメ属
order CHARADRIIFORMES Family LARIDAE LARUS

セグロカモメ(背黒鴎) 
Larus argentatus Herring Gull

L55〜67cmW135〜150cm
冬鳥
海岸・港・河口
【1】冬羽。2003.2.9室見川小田部小学校横にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。
冬の海岸等で群れている事が多い、脚がピンク色の大型のカモメ。
■形態
雌雄同色。夏羽では頭部から頸、体下面、尾は白く、背と翼は青灰色。背の青灰色はウミネコより薄い。次列・三列風切先端は幅広く白い。初列風切はP10からP6〜P4まで黒く、先端に小さい白斑がある。P10には白いミラーがあり、P9にあるものもいる。足はピンク色だが、黄色味を帯びたものもいる。嘴は黄色く、下嘴の先に赤い斑がある。
冬羽では頭部から頸にかけて灰褐色の斑が入る。
幼鳥は全身褐色で、褐色の肩羽は淡色の羽縁の切れ込みが多い。初列風切は黒褐色。嘴は黒く、虹彩も暗色。
第1回冬羽は肩羽が錨型模様になり、嘴基部がピンク色になる。後期には磨耗が進み白っぽくなる。
第2回冬羽では肩羽に青灰色が混じる。
第3回冬羽では肩羽は青灰色になり、雨覆、三列風切も青灰色が混じる。
第4回冬羽ではほぼ成鳥冬羽に似るが、嘴に黒斑が残る。
■特徴
成鳥になるまで4年かかる
■採餌
魚類、貝類、甲殻類、小動物等の死骸を餌にする。繁殖期は魚類、鳥の卵、草の実なども食べる。
■繁殖
断崖の岩棚や、水辺に近い草地の地面に集団営巣する。地上の窪みに、枯草、海藻等で粗雑な皿型の巣を作る。通常3個産卵し、雌雄で約24〜28日抱卵する。
■鳴き声
「クワワワワワッ」と大きな声で連続して鳴く事が多く、セグロカモメよりも濁りがない。
■亜種
亜種はない。西の地域で繁殖する背の灰色がやや薄い個体群をL.v.birulaiとすることもあり、その場合、東の地域の個体群はL.v.vegae。
■分布
ユーラシア大陸の温帯から寒帯、北米大陸の亜寒帯から寒帯で繁殖し、ヨーロッパ北部沿岸、カムチャッカから中国沿岸、北米大陸沿岸で越冬する。日本には冬鳥として全国に渡来する。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で、10〜4月。
【室見川】河口から小田部大橋くらいまでの流域。橋の街灯の上や、高速道路の欄干などで休んでいる姿が見られる。
【今津】瑞梅寺川河口の干潟で見られる。

【2】夏羽。2002.3.25室見川小田部小学校横にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】幼羽。2007.11.2室見川筑肥室見橋にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【4】摩耗した幼羽。2002.1.29福岡県新宮町にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】第1回冬羽。2003.1.13室見川小田部小学校横にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【6】第2回冬羽と思われる個体。2003.1.17志賀島にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】第3回冬羽と思われる個体。2002.12.1福岡県新宮町にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【8】第4回冬羽。2002.2.4室見川小田部小学校横にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【9】脚の黄色い個体。冬羽。2003.2.9室見川小田部小学校横にて撮影。Swarovski ATS65HD(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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