チドリ目シギ科オグロシギ属
order CHARADRIIFORMES Family SCOLOPACIDAE LIMOSA

オオソリハシシギ(大反嘴鴫)
Limosa lapponica Bar-tailed Godwit

L37〜41cm W70〜80cm
旅鳥
干潟、河口、干拓地
【1】夏羽オス。2008.4.8今津田尻西南グランド用地にて撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。
長く上に反った嘴を持つ大型のシギ類。
■形態
雌雄ほぼ同色。雄夏羽では頭部から下面が赤褐色で、額から後頚に黒褐色の縦班があり、薄く黒褐色の過眼線がある。上面は黒褐色の軸班に白や赤褐色の羽縁がある。初列風切先端部は黒く、静止時黒く見える。腰から尾羽は白く、黒褐色の横班がある。下面は赤褐色だが、腹から下尾筒にかけて黒褐色の横班がある。嘴は黒く、長くて上に反っていて、基部はピンク色。夏羽では基部も黒くなる傾向がある。足は黒く長い。虹彩も暗色。
冬羽では全体から赤みがなくなり、白い眉班が目立つ。上面は灰褐色で、黒く細い軸班が目立つ。
雌は雄に比べて体が大きく、嘴や足も長い。夏羽では雄に比べて赤みが少なく、眉班は白く目立つ。冬羽では雌雄は変わらない。
幼羽は冬羽に似るが、全体が淡褐色で、上面は黒褐色のギザギザの軸班に淡褐色の羽縁。
飛翔時オグロシギのようにはっきりした翼帯は出ない。
■採餌
長い嘴を垂直に突立て主にゴカイなどを捕える。
■繁殖
繁殖はツンドラ地帯で、乾いた草地に通常4個産卵する。抱卵は20〜21日で、雌雄で行う。
■鳴き声
「ケッ、ケッ、ケッ」と感覚をあけて鳴く。繁殖地では「ピュピュー」等高い声で連続的に鳴きディスプレーフライトを行う。
■亜種
一般的には亜種オオソリハシシギ(L.l.baueri)が渡来するが、ヨーロッパの方に分布する腰の白い亜種コシジロオオソリハシシギ(L.l.menzbieri)も稀に観察されている。
■分布
ユーラシア大陸北部、アラスカ西部で繁殖し、ヨーロッパ、アフリカ、中東、東南アジア、オセアニア沿岸で越冬等。日本には春秋に旅鳥として渡来する。
■福岡での事例
福岡では旅鳥で4〜5月頃と7月〜11月頃に見られる。
【室見川】2008年5月愛宕でチュウシャクシギに混じって観察。
【今津】瑞梅寺川河口干潟及び周辺農耕にて観察。

【2】オス、冬羽から夏羽に換羽中。背に夏羽根が出て、下尾筒の方に赤く夏羽が出始めている。2001.4.14今津瑞梅寺川河口にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【3】オス夏羽に換羽中。下面は赤いが、上面は摩耗した冬羽。2004.4.18今津瑞梅寺川河口にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【4】オス、夏羽。2005.3.26佐賀県東与賀町にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【5】オス、夏羽。2010.4.29熊本県荒尾市にて撮影。Swarovski ATM 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX P6000。

【6】メス、夏羽に換羽中。三列風切が夏羽へ換羽している。嘴が長く、体が大きい。2005.3.26佐賀県東与賀町にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【7】冬羽。2008.5.2室見川愛宕で撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【8】冬羽。2008.5.2室見川愛宕で撮影。Swarovski ATS 65HD(30×SW)+Turbo Adaptar+NICON COOLPIX7900。

【9】幼羽。2001.9.8今津太郎丸にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX990。

【10】幼羽。2004.9.8今津田尻にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4300。

【11】幼羽。仲間を襲ったハヤブサを威嚇している。2004.9.8今津田尻にて撮影。Leica APO-TELEVID77(20-60ZOOM)+NICON COOLPIX4300。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2011.8.31改